リアム・ヘムズワース演じるチンピラvs汚職刑事! 終盤の加速に息を呑む『KILLERMAN/キラーマン』

『KILLERMAN/キラーマン』Copyright 2019 Killerman Productions LLC.

リアム・ヘムズワースが裏社会で生きるチンピラを熱演!

主人公モー(リアム・ヘムズワース)は裏社会で資金洗浄を生きる術としている。相棒スカンクとともに闇の金を金の延棒に換え、それをまた現金化。扱う金は大きいけれど、まあ言ってしまえばチンピラの仕事だ。

『KILLERMAN/キラーマン』Copyright 2019 Killerman Productions LLC.

そんなうだつの上がらない状態から脱しようと、2人は預かった金で麻薬取引に手を出す。その現場に踏み込んだのが、金を狙った汚職刑事たちだ。乱戦、逃走。モーとスカンクが乗った車は大破し、モーは記憶を失うことに。

『KILLERMAN/キラーマン』Copyright 2019 Killerman Productions LLC.

金を返せと迫る組織のボス(スカンクの叔父でもある)のプレッシャーもありつつ、2人は希望のない闘いを強いられる。

『KILLERMAN/キラーマン』Copyright 2019 Killerman Productions LLC.

ケチな悪人たちに感情移入!? 気迫あふれるクライムアクション

まあ、元はと言えば主人公コンビだって悪いという話だ。それを追うのも汚職刑事。ケチなヤツらのケチな闘い。そういうふうに見ることもできる。そこに感情移入できるかどうかで、この映画にノレるかどうかも違ってくる。

『KILLERMAN/キラーマン』Copyright 2019 Killerman Productions LLC.

ただストーリーが進めば進むほど、特にナイスガイでもなく、思慮深いわけでもないヤツらから目が離せなくなってくる。彼らが彼らなりに筋を通そうとする姿に熱くなりもする。主人公がチンピラだからこそ切羽詰まった状況が似合うし、それをロケ撮影の荒んだ光景が後押しする。

『KILLERMAN/キラーマン』Copyright 2019 Killerman Productions LLC.

終盤の加速は見事と言ってもいいだろう。モーの記憶喪失は何を引き起こしていたのか。スカンクが迫られる“選択”とは。映画を見ながら、いつの間にか彼らと痛みを共有している自分に気づくはずだ。通り一遍では終わらせない。クライムアクション好きなら、作り手のそんな気迫が伝わるに違いない。

『KILLERMAN/キラーマン』Copyright 2019 Killerman Productions LLC.

文:橋本宗洋

『KILLERMAN/キラーマン』はヒューマントラストシネマ渋谷「未体験ゾーンの映画たち2020 延長戦」で2020年7月17日(金)より公開

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