豪州SC:2010年王者コートニーの“バサースト1000”向け相棒に仮想空間でも活躍の17歳を起用

 現時点で、2020年も10月第2週の開催が予定されるVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカー最大の祭典“バサースト1000”に向け、今季開幕戦の1戦限りでホールデン陣営を離脱し、Tickford Racingへの電撃移籍を決めた2010年王者ジェームス・コートニーは、チームメイトにSuper3王者ブロック・フィーニーを指名すると発表。Boost Mobileフォード・マスタングでトップカテゴリーへのデビューを果たすことが決まった。

 現在17歳のフィーニーは、2019年にVASCステップアップ・カテゴリーであるSuper3のシリーズチャンピオンを獲得。その後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延した際、現実のシリーズ再開を待つまでの間に実施されたeシリーズ『Supercars All Stars Eseries』でも、並いるレギュラー勢を抑えて勝利を飾るなど、新進気鋭の若手有望株として注目を集めている。

 今もシリーズカレンダーの改訂や、感染症再発と終息への不透明な状況を受けて開催状況が二転三転しているものの、シリーズの“魂”でもあるマウントパノラマでの1000kmクラシック戦に関しては、オリジナルの日程である10月8〜11日のスロットから移動しておらず、フィーニーは2010年VASC王者とのペアで“グレートレース”に挑む予定だ。

「こんな早いタイミングで、Boost Mobile Racingのセカンド登録コドライバーになれたことに興奮している。チームの一員としてバサースト1000に出場し、レースを戦えるチャンスがあるなんて、本当に素晴らしいことだ」と、参戦決定の喜びを語ったゴールドコースト出身のフィーニー。

 2020年はSuper2にステップアップし、Tickford Racingのフォード・ファルコンFG-Xをドライブし、先日のシドニー・モータースポーツパーク戦を終えてランキング8位につけているフィーニーは、同選手権でもBoost Mobileのサポートを得てシリーズを戦っている。

長らくのサスペンデッドを経て再開された2020年シーズン第2戦からフォード・マスタングをドライブするジェームス・コートニー
2019年Super3チャンピオンの肩書を提げ、今季からSuper2へと昇格した17歳のブロック・フィーニー

「オーストラリアで生まれたほとんどの子供たちがそうであるように、僕も幼い頃から家のソファに座ってバサースト1000を観戦し、成長するにつれてそこで戦いたいという希望を抱くようになった」と続けるフィーニー。

「そんな夢に見た機会を得られたなんて信じられないことで、それもフォード・マスタング・スーパーカーというコンペティティティブなマシン、そしてJC(コートニーの愛称)というシリーズを代表する成功を収めたドライバーと組める。言葉がないほど最高だよ!」

 そのフィーニーは、仮想空間の『Supercars All Stars Eseries』第5戦スパ・フランコルシャンでは、おなじくゲスト参戦したF1ドライバーのランド・ノリスを差し置き、レース2でワイルドカード枠エントリーのドライバーとして初優勝も記録した。

「昨季からSuper3でもBoost Mobileのサポートを得てシリーズを戦ってきたが、世界中で注目を集めるアスリートがいる、こうしたハイレベルなブランドに携わるのは素晴らしいことで、eシリーズへのワイルドカード参戦もSuper3のタイトル獲得が助けになった」

「そして世界最大のレースのひとつで、Boost Mobileフォード・マスタングのステアリングを握れるなんて本当に光栄だ。今でもまだ信じられない気分だし、自分で自分の顔を叩いている最中だけど、今から10月が待ちきれないよ!」

『Supercars All Stars Eseries』第5戦スパ・フランコルシャンでは、レース2でワイルドカード枠での初優勝も決めている
39歳の元王者ジェームス・コートニーと、17歳のルーキーという王道の組み合わせとなった

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