『ABEMA Prime』元介護士・りんたろー。と学ぶ「若者が家族を介護」する“ヤングケアラー”の現実

ABEMAがニュース番組『ABEMA Prime』を平日夜9時より毎日生放送している。

■りんたろー。「介護はパンクしちゃう瞬間が訪れるくらいストレスかかる仕事。高齢者虐待は他人事じゃない」

兼近大樹も不安を吐露「自分には介護が無理だなと思う。施設に預けても批判される」

特集では、通学や仕事をしながら家族を介護する15歳~19歳の若い世代、いわゆる“ヤングケアラー”に注目。今や全国に約4万人いると言われる“ヤングケアラー”の過酷な現実について、元介護士で本番組のMCを務めるEXITのりんたろー。と共に議論した。

冒頭、介護士として約8年間アルバイトしていた経験を持つりんたろー。は、「僕は介護士としてお金をもらっていたし、介護の相手が他人だからできたっていうのがあると思う。実際自分の親が認知症になったらと考えると、『同じように介護できるかな?』と考えちゃって。それが毎日になった時に、多分パンクしちゃう瞬間が訪れるんですよね。それで、『介護の現場で、高齢者の方が手を挙げられた、殺された』みたいなニュースを見る時に、今までは“異常な加害者を扱ったニュース”だと思っていたんですけど、僕は介護に携わってから『本当に誰でも加害者になりうる』と感じて。介護ってすごくストレスがかかることで、『自身を制御できない人は、“このタイミング”で手を挙げちゃうんだ』ってはっきり分かるんですよ、その衝動は本当に誰にでも訪れることで。それがパンクしないように、周りの色んな人のサポートや、介護施設だったりそういう所が助けてあげて、“負担を分散させるサポート”が必要だなと思います」と経験者ならではの見解を語った。

一方、兼近は「りんたろー。さんから介護の話をよく聞いたり、実際に目にした時に『絶対に自分には介護は無理だな』とすぐに思ったんですよ。自分の家族に対しても、僕本人が介護することはできないと思うんです。そうなると、施設に預けるとかが必要でお金もかかってきますし、なんなら預けると言った時点で世間から『自分の親の面倒も見れねぇのかよ』と批判される不安もあります。本当に難しい問題だと思います」と、介護の現実を目の当たりにしたりんたろー。の実体験を聞いているからこそ、自身の親であっても“介護はできないかもしれない”と感じる素直な不安を明かした。

こうした中で、ヤングケアラーに対する研究・実態調査を長年研究する成蹊大学准教授の澁谷智子さんは、ヤングケアラーが抱える1番の問題について、「介護の状況を他人に理解して貰えることが、なかなかない。一般的に子供や若者は、自分の事に時間やエネルギーを使えると想定し、それを前提で学校や社会の色んな事が出来上がっているので。その中で、介護に時間を取られて『宿題ができない』『思うような成績が取れない』『遅刻してしまう』など、何らかの事情がある事が理解されないままそれが続いていくと、ヤングケアラー自身の“自己肯定感”や“自信”みたいなものが損なわれていってしまう。なので、進路や就職を考える時に色々な事を諦めていく。あるいは同世代に比べて『自分は取り残されている』という気持ちを持ったまま、つながりが持てなくなっていくのが、1番の問題。それから、介護の福祉制度についても家族がケアの担い手となる事を想定してはいるものの、家族の中に未成年者がいる事をきちんと考えていない。そういう子たちの教育や将来設計を考えた上で、サービスができないといけない」と、問題を指摘した。

本放送の様子は、現在も「ABEMAビデオ」で配信中。

■『ABEMA Prime』 放送概要

放送日時 :毎週月~金曜 夜9時~夜11時  ※生放送

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