戦争で犠牲になった若者 描き続けた作品には大切な人が

若くして戦地に散った画学生の作品を紹介する特別展が、18日から三重県にある四日市市立博物館で始まりました。

長野県上田市にある「無言館」は、画家を目指しながらも戦争に駆り出されて犠牲となった若者の遺族を、館主の窪島誠一郎さんが訪ね歩いて作品を収集し、1997年に開館しました。

会場には、画学生らが生前に描いた油絵や日本画133点が展示されています。

「静子像」は、29歳の若さで犠牲となった佐久間修が描いた妻の肖像画で、手放すことをためらった妻の夢枕に立った佐久間が「多くの人に見てほしい」と告げたことから、無言館に収蔵されました。

出征を前に残された作品には故郷の風景や家族、恋人など大切に思い続けた人や物が描かれ、絵を描き続けることすらかなわなかった時代の惨さを戦後75年となる現代に伝えています。

「無言館展・戦没画学生からのメッセージ」は、9月6日まで四日市市立博物館で開かれています。

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