DeNAラミレス監督、忖度なしシビアな采配 正捕手の“序盤交代劇”に出した答え

DeNA・アレックス・ラミレス監督【写真:津高良和】

「試合前に我々が立てた戦略と違う方向に行っていた」ベンチ主導の配球強調

■巨人 4-2 DeNA(18日・横浜)

DeNAは18日に本拠地・横浜スタジアムで行われた巨人戦に2-4で敗れ4連敗。開幕後最初の正念場を迎えた格好だが、アレックス・ラミレス監督はスタメン出場した伊藤光捕手を3回からベンチに下げる采配で、忖度なしの厳しい姿勢を示した。

この日はエース今永が先発したが、2回に先頭の中島、ウィーラーに連打を浴び、左翼手・佐野の悪送球も絡んで先制点を献上。さらに2死二、三塁とされ、北村に中前2点適時打を浴びて、この回一気に3点を失った。すると、ラミレス監督は続く3回から女房役の捕手を、伊藤光から戸柱にスイッチした。

伊藤光は昨季、チーム最多の80試合に先発した正捕手。昨オフには国内FA権を行使せず、年俸1億1000万円(推定)の4年契約で残留した。今季もこの日まで、最多の13試合で先発マスクをかぶっている(戸柱が9試合、高城2試合、嶺井1試合)。左膝付近に自打球を当てた影響で、前日17日の同カードを欠場していただけに、ケガの悪化による交代かとも思われたが、そうではなかった。

ラミレス監督は試合後のオンライン会見で「伊藤光と今永のコンビネーションが機能していなかったので替えた。試合前に我々が立てた戦略とは違う方向に行っていた。ジャイアンツに傾いた流れを止めようと思った。代わって出た戸柱はよくやってくれた」と説明した。実際、戸柱は残りの7イニングを、5回の坂本の左翼フェンス直撃適時打による1点に抑えた。

この日の伊藤光のリードには、試合前のミーティングで打ち合わせた戦略が反映されていなかったということなのだろう。とはいえ、今永が今季先発した5試合中、4試合の女房役が伊藤光(1試合は嶺井)。なかなか、これほどバッサリ替えられるものではない。ラミレス監督らしい、ドライかつシビアな采配といえるかもしれない。

配球に関しても、捕手任せでなくベンチ主導で行う方針を改めて明確にしたともいえそうだ。就任5年目のシーズンに1年契約で臨んでいるラミレス監督。今季通算12勝13敗で“借金1”となったが、チームにとって22年ぶりの優勝へ向けて妥協はない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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