【やまゆり園事件から4年】「差別」考える機会に 障害者の自立描いた映画上映 横浜

映画の一場面。大阪市内の自立センターで語り合う障害当事者の男性(左)とスタッフら(ぶんぶんフィルムズ提供)

 障害者が親元や施設を離れて地域社会で暮らす姿を追ったドキュメンタリー映画「インディペンデントリビング」の上映が18日、シネマ・ジャック&ベティ(横浜市中区)で始まった。相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた連続殺傷事件から間もなく4年。上映後のトークショーでは「なぜ、あの事件は起きてしまったのか。いま一度、差別構造の問題を考えなければいけない」との声が上がった。

 映画の舞台は大阪府内にある三つの障がい者自立支援センター。それぞれのセンターは障害当事者たちが運営しており、障がい者の1人暮らしをヘルパーたちと共に支えている。

 都内でヘルパーとして働いていた田中悠輝監督が2016年から約3年半かけて製作。人とのつながりを通じて障害者たちが「障害」を理由に奪われていた経験や力を取り戻していくさまや、「自分らしく生きる社会」について模索する姿が描かれている。

 田中監督がカメラを手にした時期はくしくも、やまゆり園の事件と重なる。

 この日の上映後、オンラインで行われたトークショー。田中監督は「(園の職員だった)植松聖さんがなぜ、事件を起こすまでに至ったのか。社会環境や差別の構造を考えなければいけない」と語った。

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