《ぐんま 看板娘がおもてなし in 安中》モデル・阿久津ゆりえさん 歴史つなぐ教会と窯元

 安中市は歴史ある文化を生かした観光を街づくりの軸にしている。その礎には、「歴史を絶やしてはいけない」という住民の強い志がある。モデルの阿久津ゆりえさん(31)はそんな安中市で生まれ育った。

◎「ただの田舎」から「リラックスできる場所」に

 阿久津さんが礼拝に通った安中教会は、日本人が初めて設立したキリスト教会。ふるさと納税の返礼品で手にした「自性寺焼」は、一度途絶えた伝統に再び火をともした窯元の努力のたまもの。幼少期から何げなく過ごした場所の魅力に気付いたのは、「東京で働くようになってから」だそう。

 新島学園中・高、県美容専門学校を卒業。18歳でヘアモデルにスカウトされたのを機に、フリーで活動を始めた。事務所に所属後、大手企業広告や朝の情報番組に起用され、現在は雑誌や映像作品などにも出演。インスタグラムのフォロワーは7万人を超える。

 上京して約10年。安中市は阿久津さんにとって、「ただの田舎」から「リラックスできる大好きな場所」に変わった。帰省するたびに発見もある。

【自性寺焼 里秋窯(りしゅうがま)】

 自性寺焼に魅了されたのは、ふるさと納税の返礼品として届いた花器を手にしたとき。「素朴だけど、照り具合に渋さがある」。江戸後期から明治期にかけ最盛期を迎えた歴史ある焼き物にいとおしさを感じた。

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 現代の名工、青木昇さん(73)の指導で初めての陶芸体験。地域の土ならではのこしを感じる。失敗しながら何とか茶わんが完成した。1カ月後の焼き上がりが楽しみで仕方ない。

 (下秋間4670-1・体験は予約が必要・電話027-382-5560)

【安中教会礼拝堂】

 小学生の頃、日曜礼拝に通っていた。白百合と十字架のステンドグラスの前に立つのは約20年ぶり。「あのころのままきれい。当時は歴史的価値も知らず走り回っていた」

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 1919年に完成した石造りの礼拝堂。キリスト教徒で教育者の新島襄の召天30年を記念して建てられた。

 新型コロナウイルスの影響で今年の見学は休止中だが、「江守秀夫牧師の面白い話を聞いて教会に詰まった歴史を学んでほしい」。

 (安中3-19-10)

【ニューアルプス】

 地域に愛される創業40年以上のレストラン。花のようなランプシェード、緑色の内壁、オレンジ色の屋根―、ノスタルジックな雰囲気が漂う。

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 お薦めはポークソテー。黒こしょうの利いた厚い上州麦豚を頬張ると、口いっぱいに肉汁が広がった。鉄板に流し込んだ卵がさらに食欲をそそる。

 食後に欠かせないクリームソーダは、店の雰囲気にぴったりでつい写真を撮りたくなる。

 (郷原276-2)

《わたしが撮るならこんな視点》

 「自性寺焼 里秋窯」で体験後、窯元の青木昇さんからサプライズで頂いた「紫陽花(あじさい)釉マグカップ」。青と紫の色が混じり合うアジサイのような模様が気に入り、スマートフォンで撮影した。

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 普段から仕事の合間などに、好みのデザインや景色を見つけると瞬時に反応。撮影してインスタグラムに投稿している。

阿久津さんのインスタグラムはこちらから

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