ボクシング 長崎鶴洋主将・池田 大先輩と真っ向勝負 県高総体代替大会

【ミドル級エキシビションマッチ】学生トップレベルの野上(東農大、右)と打ち合う池田(長崎鶴洋)=諏訪体育館ボクシング場

 ボクシングの第1回県連盟会長杯は18、19日、長崎市諏訪体育館ボクシング場で行われ、この大会で部活動に区切りをつける高校3年生らが熱い戦いを繰り広げた。
 コロナ禍で中止となった県高総体の代替大会で、長崎鶴洋、瓊浦、佐世保実の3校が参加。各試合後のリングの消毒、レフェリーのマスク着用などの感染症防止策を施しながら、各階級トーナメントで競った。
 当初、ミドル級はエントリーが3年生の池田恭士朗(長崎鶴洋)だけだったが、前日の18日に県連盟から依頼を受けた野上昂生(東農大)が“出場”を快諾。全試合終了後、学生トップレベルの実力者と長崎鶴洋の主将によるエキシビションマッチが行われた。
 野上は2019年春の全国選抜大会で優勝、夏のインターハイで準優勝した実力者。現在はコロナ禍の影響で帰省中だが、大学進学後も順調に成長しており、24年パリ五輪を目標に腕を磨いている。そんな大先輩を相手に、池田は序盤から真っ向勝負。強烈なボディーを浴びても、ダウンを奪われても、最後まで懸命に前に出続けた。
 試合後、野上は「今の高校3年生はインターハイなどの試合が全部なくなっている。それで最後もできないのはかわいそうだと思って…。とにかく彼は強かった」と後輩のファイトをたたえた。
 池田はこの日が競技人生最後の1日で、それを野上との対戦で締めくくれたことに感激した様子。「正直、自分だけ最後に試合がないのはさびしいと思っていたから、やれてうれしかった。野上さんは怖かったけれど、自分のすべてを出し切れた」と真っ赤に染まった目で笑った。

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