V長崎・カイオ 決勝ゴールで逆転勝ち

 過去の通算対戦成績は1勝6分け5敗。昨季も連敗した。この一度も勝っていなかった“鬼門”のシティライトスタジアムでの逆転勝利に、V長崎の手倉森監督は「しぶといゲームを覚悟していた。じれることなく落ち着いてやり通した選手たちに感謝したい」と声を弾ませた。
 前線にロングパスを入れ、はね返されたボールを拾って組み立てる相手の攻撃に手を焼いた。組織的な守備で何とか対応していたが、前半21分にCKから痛烈なダイレクトボレーを決められて失点。主導権を握られた。
 だが、ここからが昨季までとは違った。果敢に仕掛けた。前半32分はイバルボの力強い突破から最後は澤田、33分はルアンのミドル、34分はCKのこぼれ球を吉岡がボレー。立て続けにゴールの“匂い”がする場面をつくった。
 後半は相手の手堅い守備を解くため、ルアンをサイドに移した。これでスペースが生まれてきたところに、途中投入された大竹が「自分が取ってやる」と28分に技ありの股抜きゴール。さらに3トップにして攻勢を強めると、33分にカイオセザールが「畑から理想通りの完璧な落としをもらえた。しっかりとコースを狙って打てた」と勝ち越しミドルを決めた。
 中3日で行われた3連戦の最終日だった。指揮官はこの3試合を「引き分けて勝ち点5を積み重ねれば御の字」と伝えていた。だが、結果はベンチの思惑を上回る勝ち点7。まだ気は早いが、V長崎が独走態勢に入り始めた。

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