五島・福江中の生徒がTシャツや「五フォーうどん」など販売 事業者の協力で商品化

五島をイメージしたオリジナルTシャツをPRする生徒たち=五島市中央町

 長崎県の五島市活性化や地域課題の解決に取り組んでいる市立福江中の3年生が17日、五島らしいイラストを描いたTシャツや、特産の五島うどんとベトナムの麺料理フォーを組み合わせた「五フォーうどん」などのオリジナル商品を市内で販売した。地元事業者の協力を得て商品化にこぎつけた生徒たちは、実習を通じ、経営の難しさや働く大変さなどを学んだ。
 同校の総合学習の一環。3年生145人が約30班に分かれ、経済、福祉、観光・交流などのテーマで活動している。
 このうち五島のPRを目指す班は、島内の観光スポットや市イメージキャラクター「つばきねこ」などのイラストをあしらったTシャツとトートバッグを開発。Tシャツ製造などを手掛ける同市の就労継続支援B型事業所「けいぷはうす」が協力した。
 販売場所は市中心部商店街の駐車場で、生徒はポスターを手に周辺を歩き回ってセールスに挑戦。リーダーの里野龍樹(りゅうじゅ)さん(14)は「商品について説明するのが大変。物を売る難しさが分かった」と話した。
 また五フォーうどんを開発した班は、協力事業者のNPO法人五島あすなろ会が運営するうどん店「ばらもん亭」で販売。事前に保護者から協賛金を募って材料を調達し、1杯500円で提供した。昼時で客が続々と訪れる中、生徒たちは同店スタッフに助けられながら、接客や調理、会計などを体験した。
 同店では、五フォーうどんを今後も日替わりメニューの一つとして提供する予定。生徒を指導した同法人の土岐寛志理事長は「せっかく生徒が五島のために作った商品なので、五島に残したいと考えた。少しでも経営の難しさや面白さを学ぶ機会になれば」と語った。

ばらもん亭のスタッフ(右から2人目)に指導を受けながら、「五フォーうどん」を作る生徒たち=五島市籠淵町

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