セ・リーグでは巨人、阪神、広島、中日で守護神が交代
新型コロナウイルスの感染拡大により、3か月遅れで開幕を迎えたプロ野球。7月10日からは上限を設けた上で、ファンをスタンドに入れる有観客開催も再開された。開幕から約1か月が経過し、セ・リーグは巨人、パ・リーグは楽天が首位に立っている。
ここまで各球団が25試合前後を戦ってきている。今季は3か月遅れで始まったこともあり、6連戦が続く過酷な日程に。特にパ・リーグでは同一カード6連戦という、これまでに例を見ない戦いを行っている。そこでここまでの各球団の戦いに注目。12球団のクローザー事情を見ていきたい。
【セ・リーグ】
1位 巨人(16勝7敗1分)
ルビー・デラロサ(6試合0勝0敗4S1H 1.80)左脇腹の故障で7月6日に登録抹消
↓
中川皓太(10試合0勝0敗2S4H 0.90)
2位 ヤクルト(13勝10敗2分)
石山泰稚(12試合1勝1敗4S1H 3.86)
3位 阪神(12勝12敗0分)
藤川球児(5試合0勝2敗2S0H 15.75)7月12日に出場選手登録を抹消
↓
スアレス(11試合0勝0敗4S3H 2.53)
4位 DeNA(12勝14敗0分)
山崎康晃(9試合0勝2敗6S0H 6.48)
5位 広島(9勝13敗2分)
スコット(6試合0勝2敗0S0H 22.50)7月3日に登録抹消、17日に再登録も20日に再び抹消
↓
菊池保則(9試合0勝0敗1S2H 2.00)
6位 中日(10勝16敗1分)
岡田俊哉(14試合0勝2敗3S1H 3.86)
↓
R・マルティネス(10試合1勝0敗2S4H 0.90)
セ・リーグでは実に4球団で守護神が交代する事態となっている。開幕から守護神の座を守っているのはヤクルトの石山とDeNAの山崎の2人だけ。だが、山崎はここまで防御率6.48と不安定な投球が続いており、配置転換の可能性も囁かれている。山崎も守護神から外されると、実に5球団でクローザーが交代する異常事態となる。
ヤクルト石山とDeNA山崎は守護神の座を守るも、山崎は…
巨人はデラロサが故障で登録抹消に。一時は澤村が抑え候補に浮上したが、現在は中川に落ち着いた。阪神は藤川が不振でファームへ降格となり、新加入のスアレスが抑えを任されている。160キロの剛球を武器に、ここまで4セーブ。チーム状態も上向いてきている。
広島は開幕当初、新助っ人のスコットに抑えを任せたが、これがとんだ期待外れに。6月20日の初登板で1失点すると、翌21日には1つのアウトも取れないままに4連打を浴びて逆転サヨナラ負け。ドラ1森下のプロ初勝利を消した。7月3日に登録抹消となったが、7月17日に再昇格。だが、同18日のヤクルト戦で1イニングを投げて3安打2四死球で3失点と炎上し、20日に再び登録抹消となった。
中日も開幕当初は岡田が守護神を担ったが、7月7日のヤクルト戦で敗戦投手となると、9日のヤクルト戦では1回もたず4失点。守護神の座をライデル・マルティネスに明け渡すことになった。
パ・リーグは6球団とも開幕から抑えは不変、楽天森原はいまだ無失点
【パ・リーグ】
1 楽天(16勝10敗0分)
森原康平(9試合1勝0敗4S1H 0.00)
2 ソフトバンク(15勝11敗1分)
森唯斗(12試合0勝1敗5S2H 2.31)
3 ロッテ(14勝12敗0分)
益田直也(12試合0勝1敗8S2H 3.00)
4 西武(12勝12敗1分)
増田達至(10試合1勝0敗7S0H 0.90)
5 日本ハム(10勝15敗2分)
秋吉亮(10試合1勝1敗4S1H 5.59)
6 オリックス(9勝16敗2分)
ディクソン(10試合0勝1敗4S1H 3.68)
セ・リーグとは対照的に、パ・リーグでは守護神の交代は起こっていない。それどころか、多くの球団でクローザーは安定した成績を残している。首位を走る楽天では松井裕樹からその座を受け継いだ森原がここまでいまだ無失点と圧巻の投球を見せている。森原含め安定した救援陣がここまでの快進撃を支えている。
ソフトバンクは森がいきなり開幕戦で抑えに失敗。7月2日の日本ハム戦ではサヨナラ負けを喫したものの、それでもここまで5セーブ、防御率2.31とまずまずの成績を残している。ロッテ益田は両リーグトップの8セーブを記録し、西武の増田も防御率0.90と抜群の安定感を誇っている。
日本ハムとオリックスの下位の2球団は、ややクローザーの数字も悪くなっている。秋吉は防御率5.59。ここ最近、失点が目立っており、苦しい投球内容となっている。ディクソンは6月23日のロッテ戦で2失点したことで防御率が悪化している。ただ、その後は7試合で1失点とまずまずの投球を見せている。(Full-Count編集部)