コロナ禍、でも… 歌う喜びと感謝届け 純心女子高音楽部 23日、保護者ら限定で自主コンサート

間隔を空けて屋外のテラスで歌声に磨きをかける部員=長崎市、純心女子高

 長崎市文教町の純心女子高音楽部(27人)は、新型コロナウイルスの感染防止策を取りながら同校敷地内の聖堂で自主企画「感謝コンサート~歌で心をひとつに~」を23日に開く。主要コンクールが中止されたためモチベーションの維持が難しく活動時間も限られているが、歌う喜びや感謝の思いを精いっぱい歌声で届けようと練習に励んでいる。
 同部は、九州合唱コンクールで20年連続の金賞受賞を誇る強豪校。今年も同コンクールや全日本合唱コンクール出場などを目指していたが、中止になった。春先は部活動自体の中断が続き、再開後も感染防止のため従来のように集まって発声することができなくなった。現在は3パートに分かれ教室や廊下、屋外のテラスでマスクを着けたまま練習。全体で合唱する際は互いの間隔を2メートルほど空けているが、教室ではスペースが足りず廊下まではみ出してしまうという。1日約2時間半の練習時間は30分~1時間半に縮小。難しい曲に挑戦する機会も減った。部員はこれまで当たり前のように歌えていたことのありがたさを強く感じているという。
 「このまま終わりたくない」-。部員は、支えてくれている家族や友人、教諭らへの感謝の思いを歌声に込めて届けようとコンサートを企画。校歌や聖歌、Jポップ、平和祈念式典で同校生徒が歌う「千羽鶴」など11曲を保護者と一部の卒業生に限って披露することにした。練習の合間には手洗いやうがいの時間を設けながら歌声に磨きをかけている。
 県内のコロナ感染の状況によってはコンサートが中止になる可能性もある。それでも部長の田鶴原綺さん(18)=3年=は「春はつらさや悔しさがあったが、気持ちを切り替え、今できることを全力でやろうと思っている。不安もあるが部員の心を一つに最高のコンサートにしたい」と意気込んでいる。

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