鷹は来日したデスパ&グラをどう使う? 栗原や上林の出番はどうなるのか

ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ(左)とジュリスベル・グラシアル【写真:荒川祐史】

NPBのガイドラインに沿って自宅待機期間を経てチーム合流となる

ソフトバンクは20日、キューバに一時帰国していたアルフレド・デスパイネ外野手とジュリスベル・グラシアル内野手が19日に来日し、20日に福岡市内の自宅に到着したと発表した。今後はNPBのガイドラインに沿って2週間の自宅待機期間を経てチームに合流することになる。

東京五輪のアメリカ大陸予選にキューバ代表として参加するために離日していたデスパイネとグラシアル。大会は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、それぞれが怪我を抱えていたためにキューバに戻って治療していた。その間に感染が拡大し、渡航が制限されてキューバを出国できなくなっていた。

検査治療のために必要な一時帰国であったことから、再入国が許可されており、キューバ出国時、そして日本入国時にはPCR検査を受検し陰性判定を受けた。今後は2週間程度の自主隔離期間を経て8月3日前後にチームに合流すると見込まれる。そこから調整を進め、ファームでの実戦出場を経て1軍復帰となる。早くても8月中旬から下旬での1軍復帰となるだろうか。

デスパイネとグラシアルの再来日によって、ソフトバンクの選手層はさらに厚みを増すことになる。2人を欠いた状態でここまで15勝11敗1分の貯金4、楽天に1ゲーム差の2位につけている。では、両助っ人が復帰したならば、どんな布陣になるのだろうか。

現在のソフトバンクで想定されるオーダーは以下のようになる。

1(一)栗原陵矢
2(遊)今宮健太
3(中)柳田悠岐
4(指)バレンティン
5(左)中村晃
6(二)川島慶三
7(三)松田宣浩
8(右)上林誠知
9(捕)甲斐拓也

このメンバーでも十二分に戦えそう、いや実際に戦えているのではあるが、ここにデスパイネとグラシアルが加わることになる。今季は栗原陵矢捕手が一塁および外野で成長を見せてレギュラーの座を掴んでいる。上林誠知外野手もここに来て状態を上げてきている。どの選手も外しがたい状況で、果たしてどこで2人を起用するするのか。

グラシアルを二塁に据える超攻撃的プランはあり得るか?

様々な起用パターンが考えられる。1つは右翼を上林、栗原で、三塁を松田宣とグラシアルで併用するパターン。その時々で状態のいい方を起用する形で以下のような打順が想定されるか。

【パターンA】
1(右)上林誠知or栗原陵矢
2(遊)今宮健太
3(中)柳田悠岐
4(左)バレンティン(デスパイネ)
5(一)中村晃(or栗原陵矢)
6(指)デスパイネ(バレンティン)
7(三)グラシアルor松田宣浩
8(二)川島慶三or三森大貴or明石健志
9(捕)甲斐拓也

超攻撃的なプランとしては、ソフトバンクで唯一、レギュラーが定まっていない二塁をグラシアルに任せる策。グラシアルはキューバ代表でかつて遊撃手を守る内野手で、2018年にはソフトバンクでも二塁手として出場した経験を持つ。守備面には確かに不安は残るものの、以下のようなオーダーとなれば、相手にとっては脅威でしかない並びとなるだろう。

【パターンB】
1(右)上林誠知or栗原陵矢
2(二)グラシアル
3(右)柳田悠岐
4(左)バレンティン(デスパイネ)
5(一)中村晃
6(指)デスパイネ(バレンティン)
7(三)松田宣浩
8(捕)甲斐拓也
9(遊)今宮健太

今季ここまでの27試合でも工藤公康監督は毎試合のようにオーダーを変更し、固定することはほとんどなかった。6連戦が続くため、選手たちに適度に休養を与えるように、2人が復帰した後もオーダーを入れ替えながら様々な起用を行っていくことだろう。時にはグラシアルが右翼を守ったり、外国人のうちの1人がスタメンから外れたり、となるのではないか。

兎にも角にも、ソフトバンクにとっては、デスパイネとグラシアルが戻ってくることは鬼に金棒と言えるだろう。まだファームには内川聖一や故障離脱中の長谷川勇也、投手でも武田翔太や大竹耕太郎、甲斐野央、高橋純平といった実力者が控えている。今季こそ、目指す3年ぶりのリーグ優勝を掴み取れるだろうか。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2