図書館カフェで「社会への一歩」 諫早・希望が丘特支生が実習

初の校外カフェで丁寧に接客する生徒たち=諫早市立たらみ図書館

 諫早市多良見町の長崎県立希望が丘高等特別支援学校(松尾徳男校長、83人)と市立たらみ図書館が連携し、初の校外カフェ「Smile hope cafe(スマイル ホープ カフェ)」を16日、開設した。公共施設の協力を得て、実習を兼ねた活動は珍しい。地域の中で働くやりがいを感じ、社会への一歩を目指す。
 カフェは同館の調理談話室で月1回程度、開設する。流通サービス科食品加工・接客コースの2、3年生10人が、コーヒーや飲料(1杯100~120円)を提供。同町のコーヒー豆販売店の指導を受けた。収益は実習経費などに充てる。
 初回は女性客を中心に次々と来店。エプロン姿の生徒たちが注文を受けると、飲料を手際良く準備。トレーの扱いやテーブルセッティングなど息の合った動きを見せていた。3年の久保斐叶さん(18)は「お客さまの笑顔がうれしかった」と話した。次回は8月19日午前10時半~午後2時。
 この日は、生活サービス科ハウスクリーニングコースの2、3年生8人も同館書庫の床を清掃し、ワックスをかけた。3年の三池大和さん(17)、山脇将真さん(17)、今長真一さん(17)は「ごみが部屋の隅に残らないように気を付けた。普段と違う場所の清掃は楽しみがある。いい経験になった」と話した。
 約3年前、花のプランターを同館周辺に設置した縁で、同館は清掃や本棚製作などの同校実習に協力。土井和香副館長は「社会に出る一歩手前で図書館を活用し、地域とともに生きる社会の手掛かりにできたらうれしい」と話している。

書庫の床にワックスをかけ、磨き上げる生徒たち

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