コロナ集団感染 クルーズ船社員「不当解雇」救済申し立て

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」

 新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の運航会社の日本法人「カーニバル・ジャパン」(東京)が一部社員を解雇したことを巡り、社員らが加入する労働組合が東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てたことが21日、関係者への取材で分かった。労組・連合ユニオン東京は「整理解雇の要件を満たしておらず、不当な解雇だ」と反発。雇用継続を求めて団体交渉などを継続していく方針だ。申し立ては6日付。

 ユニオンなどによると、同社は6月4日、正社員68人のうち男女24人を指名して退職を求めた。コロナ禍に伴う運航中止が続く中で業績が悪化したとして、「業務を維持する上で人員が余剰になった」「断っても会社に席はない」などの説明があったという。

 24人のうち11人が、回答期限の8日までに「退職合意書」にサイン。その後、給与20%カットなどの説明を受けてさらに6人が合意した。拒否した7人はユニオンなどの労組に加入し、同社との団体交渉で雇用継続などを求めた。しかし、26日付の解雇予告通知書が郵送で届き、30日付で全員が解雇されたという。

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