ウィズコロナ時代の観光業は「近距離ツーリズム」を

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。7月15日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、前横浜市長で元衆議院議員の中田宏さんが“Go Toキャンペーン”について述べました。

◆Go Toキャンペーンで考えられる大きなリスク

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた産業の消費を喚起するため政府が打ち出したGo Toキャンペーンのうち、国内旅行における宿泊代金などの料金の割引が7月22日から始まります。

Go Toキャンペーンに関して中田さんは、「政府は感染症と経済を両立させていこうと考えて今回賭けに出たと思う。つまり、経済を回さないとしょうがないということ」と実情を慮りつつも、「しかし、賭けるタイミングじゃない」と非難。MCの堀潤も同意見のようで、Go Toキャンペーン実施による長期的な影響を危惧します。

今や経済を回しながらコロナと共存していかなくてはならないウィズコロナの時代となり、「コロナが完全になくなるまで待っていたら、経済が潰れてしまうのはその通り」と中田さん。そんななかテレワークをはじめ、さまざまな形で経済を回し始めているわけですが、Go Toキャンペーンには多くのリスクが考えられると指摘。

その1つが「政府が人の移動を奨励すること」。感染者のなかには無症状の方も多く、市中感染も拡大しているだけに、「(旅行者が)観光地にウイルスを持ち込むことになってしまう」と話します。

また、観光業界が大打撃を受けているのはわかるものの、「観光地はあらゆる意味で医療体制が脆弱なエリアが多く、裏を返せば観光は健康な人が行くもので、ウイルスを持ち込む人たちが来ることを想定していない」と言います。

◆もしもGo Toキャンペーンをやるならば……

ただ、それでもGo Toキャンペーンを決行するならば、中田さんは「地域間の移動を避けるやり方、近距離ツーリズム」を奨励。感染拡大がいつまで続くのかわからないなかでは、「当面はこれを観光のメインにしていかなくてはいけない。ウィズコロナ時代の観光業の新常態と言える、むしろこれをキャンペーンでやっていくべき」と主張。

さらには、感染者の少ない地域を行き来する旅行を策励し、「(コロナを)抑え込んでいるエリアはいいが、抑え込めていないところはもっと力を入れて抑え込みましょうというメッセージでもある。自治体がそれぞれ工夫し、競争して感染を抑えていくことに繋がるわけで、こうしたメリハリの効いたキャンペーンを行うべき」と提案します。

一方、国民に対しても交通機関を利用しない近場のホテルもキャンペーン対象内となっているだけに、「県内の温泉に行くなどの利用の仕方、国民が賢く使うことも必要」と訴えていました。

番組では、視聴者に「Go Toキャンペーンの開始時期はいつが適切?」というテーマで生投票を実施。結果は以下の通りです。

◆Go Toキャンペーンの開始時期はいつが適切?
いま……264票
秋頃……333票
冬頃……228票
来年の春以降……2,784票

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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