聖職者から「パワハラ」 長崎大司教区職員 労災申請へ

 カトリック長崎大司教区の聖職者からパワハラを受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、休職を余儀なくされたとして、50代女性職員が長崎労働基準監督署に労災申請することが21日、分かった。
 女性の代理人弁護士が諫早市内で会見し、明らかにした。女性は、同教区の「子どもと女性の人権相談室」の相談員として聖職者から受けた性被害などの相談を信徒から受ける立場で、聖職者とは対立する立場になりやすかったという。
 弁護士によると、昨年2月、同教区の神父が起こした金銭トラブルを他の聖職者ら約120人に説明する場で、上位聖職者から女性が意図的に神父を陥れようとしたかのような言いがかりをつけられ、会場内からも「思い通りになると思うなよ」「一信徒のくせに」などと暴言を浴びせられたという。
 その後、相談対応を巡っていわれのないクレームや、それをうのみにした聖職者からの批判を受けることが続いて体調を崩したとしている。今年6月に休職。今月17日にPTSDの診断を受けた。
 女性は弁護士を通じ、「一連の出来事を思い出すと強い身体症状が起きる。一人でも多くの方が、深い苦しみとともに日々を重ねている被害者とともに歩んでくださることを願う」と文書でコメントした。

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