JR九州の被災状況と運休情報まとめ 久大本線と肥薩線で復旧にかなりの時間を要する見込み 令和2年7月豪雨

肥薩線那良口・渡間第二球磨川橋りょう 写真:JR九州

JR九州は21日、「令和2年7月豪雨」にともなう肥薩線などの被災状況および一部線区の運転再開見通しの情報を公開した。

肥薩線では7月4日の始発列車から、大雨により八代~隼人間で運転を見合わせた。7月20日時点で八代~吉松間の被災状況把握が完了し、13日時点では65件であった肥薩線全体の被災件数は450件となった。

鎌瀬~渡間では数多くの土砂流入、道床流出などが発生。現時点で八代~真幸間の復旧の見通しは立っていない。

路線別に見た場合、7月20日時点では17線区で計730件の被害を把握している。肥薩線の450件を筆頭に、久大本線145件、日豊本線29件、鹿児島本線26件と続く。

肥薩線以外の線区については13日発表時点から被災件数に変動はないが、今後の気象状況や調査の進捗により被災箇所の増加も見込まれる。

鹿児島本線、久大本線の運転再開見通しについて

現在運転を見合わせている鹿児島本線熊本地区、同鹿児島地区、久大本線日田~向之原間について、運転再開の見通しが発表された。

鹿児島本線熊本地区(長州~植木間)は8月3日(月)から運転再開予定。

鹿児島地区(川内~鹿児島中央間)は7月27日(月)から串木野~鹿児島中央で運転を再開、川内~串木野間は同日よりバス代行輸送を実施する。川内~鹿児島中央間での運転再開は8月1日(土)見込み。なお、川内~隈之城間は7月20日より一部列車で運転を再開する。

久大本線の日田~豊後森間は8月8日(土)、庄内~向之原間は8月末の運転再開を予定している。なお、由布院~向之原間では7月14日(火)よりバス代行輸送を実施している。

運転見合わせなど(21日18時時点)

特急列車・D&S列車については「ゆふいんの森」「かわせみ やませみ」「いさぶろう・しんぺい」「SL人吉」が当分の間運休となる。「ゆふ」は博多~日田間は運転を行うが、ゆふ73号・74号は運休。

快速列車・普通列車については下記の通り。

<鹿児島本線>
鳥栖~長州:当分の間、始発から本数を減らして運転。荒尾から長州間は9時以降16時30分頃まで運転を実施しない。8月3日(月)から通常ダイヤで運転再開。

長州~植木:当分の間、運転見合わせ。8月3日(月)から通常ダイヤで運転再開。

植木~八代:当分の間、始発から本数を減らして運転。8月3日(月)から通常ダイヤで運転再開。

川内~串木野:7月27日(月)より代行バスを運行。川内~隈之城間は7月20日(月)より、肥薩おれんじ鉄道から乗り入れる車両に限定し運転を再開する。

串木野~鹿児島中央:7月27日(月)より臨時ダイヤで運転再開予定。

鹿児島本線の川内~鹿児島中央間は8月1日(土)より通常ダイヤで運転再開。

<久大本線>
日田~豊後森:8月8日(土)より運転再開。

豊後森~向之原:バス代行輸送を実施中。庄内~向之原間は8月末より運転再開予定。

向之原~大分:当分の間、始発から本数を減らして運転。

<肥薩線>
八代~吉松 当分の間、運転見合わせ。

上記以外の列車についても気象状況などにより遅延、運休、行先変更などが発生する可能性がある。最新の情報はJR九州Webサイトの「運行情報」やJR九州アプリからも確認できる。

鉄道チャンネル編集部

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