厚生労働省の肝炎対策の国民運動「知って、肝炎プロジェクトミーティング2020」のイベントがきのう(21日)、東京で開かれ、プロジェクトの特別参与を務める歌手で俳優の杉良太郎(すぎ・りょうたろう)さんや、特別大使を務める妻で歌手の伍代夏子(ごだい・なつこ)さんらが肝炎対策を呼びかけました。
「知って、肝炎プロジェクト」では、杉さんと伍代さんが、先月(6月)30日、2018年の肝がんの死亡率が全国ワースト1位となった和歌山県に、2人そろって訪れ、仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事や尾花正啓(おばな・まさひろ)和歌山市長と面談して肝炎ウイルス検査の普及・啓発の推進を訴えました。
きのうのミーティングには、新型コロナウイルス感染対策として、「三密」を避けるため一般参加者は招かれず、ラジオやテレビなどおよそ50人のマスコミ関係者だけが来場しました。
ミーティングには、杉さんと伍代さんのほか、AKB48の横山由依(よこやま・ゆい)さんや、元プロレスラーの小橋健太(こばし・けんた)さんら芸能界やスポーツ界から選ばれた大使とサポーター20人が参加し、加藤勝信(かとう・かつのぶ)厚生労働大臣の挨拶のあと、代表して伍代さんに委嘱状が手渡されました。
5期目となる委嘱状を受け取った伍代さんは、「日本から肝炎ウイルスがなくなるまで皆さんに検査の重要性を知ってもらうため、大使とサポーターが一丸となって頑張ります」と意気込みを語りました。
また、特別参与を務める杉さんが挨拶し、5年前から取り組んでいる、1つの地域に大使・サポーターを集中的に派遣して広報する取り組みの結果として、肝がんの死亡率が全国ワースト1位だった佐賀県を2位にさげた成果を強調した上で、「佐賀県に代わって1位になった和歌山県には、新型コロナ影響で訪問できていませんでしたが、先日、伍代・特別大使とともに赴き、肝炎ウイルス検査の普及啓発を呼びかけてきました。これからは、和歌山県をワースト1位から引きずり下ろし、肝炎ゼロ県にするよう取り組んでいきたい」と語りました。
続いて肝炎の勉強会が開かれ、国立国際医療センター研究所・ゲノム医科学プロジェクト長の溝上雅史(みぞがみ・まさし)さんが「新型コロナウイルス時代の肝炎啓発のあり方」と題して講演しました。
C型肝炎は薬でほぼ完治できるようになり、B型肝炎も病気の進行を抑えることができるようになりましたが、一般にはまだ検査が十分に行われていません。
勉強会では、参加者がそれぞれ意見を述べ、歌手で俳優の石川ひとみさんは、B型肝炎にかかったものの復帰した自身の体験を語りながら、「家族がまだ検査をしていないなら、血液検査で簡単に感染がわかるので、検査をするようぜひ伝えてください」と訴えていました。