伊王島「恋人の聖地」に 長崎ウエスレヤン大生が新観光プラン

伊王島観光プランを提案した長崎ウエスレヤン大の学生(前列)=長崎市伊王島町1丁目、アイランドナガサキ

 長崎ウエスレヤン大(長崎県諫早市)の学生が長崎市伊王島の新たな観光プランを企画した。パワースポット巡りや記念日を祝う料理を組み合わせて「祝う島」「恋人の聖地」として売り込む。地元のリゾート施設「アイランドナガサキ」が具現化する。
 同大は1月、同施設を運営するKPGホテル&リゾート(KHR)と観光振興に向けた包括連携協定を締結した。新型コロナウイルスの影響を受け、KHRは雇用維持や魅力アップを図る「伊王島観光受入態勢ステップアップ事業」を展開、同大に協力を求めた。
 伊王島は昔、その美しさに感動した神功皇后が祝詞(のりと)を賜った故事から「祝う島」と呼ばれ、地名の由来となったという説がある。これをキーワードに、同大現代社会学部3年生ら5人と同施設スタッフが共同で島民にヒアリング調査し、素材を集めた。
 学生の提案によると、2000年以降に成人した「ミレニアル世代」のカップルや夫婦をターゲットに「ここで記念日を祝うと幸せになる」とアピール。教会や夕日が映える絶景の灯台、縁結びの神社などをパワースポットとして活用する。まんじゅう「ぼんとう」の全粒粉を使う「だご田楽」や、イセエビとヨモギで着色する「二色そうめん」など地元食材を生かした「伊王島御膳」を提供。メモリアルキャンドルを作り、夜に泉に浮かべる体験もある。
 16日、成果報告会があり、KHRの田中正男社長や同大の佐藤快信学長らが耳を傾けた。同施設スタッフも「1年365日、毎日何かのお祝いシーンを島全体で演出する」と商品化に向けた決意を表明した。
 学生の1人、松川美波さん(20)は「調査を通じ住民の皆さんの地域愛を感じた。これを大切にして持続可能な地域づくりを応援したい」と話した。

© 株式会社長崎新聞社