バリキャリママも体調を崩した在宅勤務の辛さ。乗り越えるために工夫した3つのこと

以前勤務していた金融機関で、在宅勤務の導入を進めるプロジェクトを主導していたことがあります。週1程度の在宅勤務は、通勤時間を考慮することなく仕事ができること、集中して作業ができることなどメリットがとても大きいと考えていたからです。

しかし、今回のコロナ禍による100%在宅勤務は想像より負担が多く、課題も見えました。5月には疲れが取りにくいと感じる日も多くなり、自分なりにリモートワーク下でパフォーマンスを上げるためにどうしたら良いのかを試行錯誤しました。

2人の子を育てながら起業した私が、リモートワークで心がけたい点と、ニューノーマルの時代の働き方を考えてみたいと思います。


コロナ禍でのリモートワーク

共同代表を務めている出張料理サービス「シェアダイン」では、2月中旬から在宅勤務に切り替えました。ただ、3月中は外部との打ち合わせなどで外出することもあり、外でのミーティングとその前後でのオフィス勤務、外出がない日は在宅勤務、のように、勤務場所はハイブリッドでした。

ところが、4月の緊急事態宣言後は、外部との打ち合わせもオンラインとなり文字通り100%在宅勤務に。ずっと家にいると勤務中にも掃除できていない部分が気になったり、夫がいるので夕食をしっかりと用意しないといけなくなったりと、気ぜわしくなりました。

それに加え、小学校1年生になった息子のオンライン授業も始まり、子どもを見ながら仕事をせざるを得なくなりました。オンライン授業ではPCの操作など付き添わなければならず、その時間は全く仕事になりません。思い通りに進まない状況に、イライラも募るようになりました。

在宅勤務が長引く中、5月後半になると疲れが取りにくいと感じ、体に不調をきたしてしまいました。

「遊び」と「切り替え」を意識

オンラインミーティングは移動時間を考慮せずに設定することができます。そのため、次々とミーティングをセットすることができる上、「○時59分」などギリギリまで打ち合わせすることになりがちです。

すると、移動の時間になどリフレッシュする時間なく、すぐに次の議題について考えたり、用意したり、プレゼンしたりすることになります。オンライン会議だと顔も映り、気を抜くこともできません。

また通勤時間がないため、子どものお迎えギリギリまでが仕事の時間、と考えてしまっていました。

ある日、「常に何かに追われている」と感じることが、体調不良の原因の一つなのではないかと気がつきました。そこで、オンとオフを切り替えること、ちょっとした「遊び」の時間を持つことを心がけることにしました。例えば、夕方は少し早めに仕事を切り上げ、散歩やストレッチをしてリフレッシュしてから保育園のお迎えに向かう、などです。

わざわざ電話をしてみる

チャットツールやウェブ会議で業務は差し障りなく行えていますが、やはり社内のコミュニケーションは少なくなりがちです。チャットツール上のテキストのやり取りは、時に冷たく聞こえることもあると言われます。

私もテキストだけのやり取りだと疲れることに気づき、ちょっと確認したいがある、認識に相違がないか、今何を考えているのか、などを電話で話すように変えていきました。「電話で同じ場を共有している」という実感も私には合っているようで、リモートワーク中は、意識して「今話せる?」と確認しつつ、電話でもコミュニケーションをとっています。

またオンライン会議では、本題が終わったら雑談を交えた話を自分から少し振ってみるなど、コミュニケーションを密に取れるやり方を試行錯誤しています。

子供の予定も共有

コロナ禍の特殊要因として、子どもを見ながら勤務をしないといけなかった、ということが挙げられます。これは平時のリモートワークでは想定されていないことです。

小学生になったばかりの息子にとって、Zoomへの入室、発言したい時にミュートを外す、などオンライン授業に必要な操作は難しいため、授業中は結局、私が隣についていることになりました。これでは仕事にならない、と焦りが募りました。

しかし、焦っても仕事に集中できる時間が増えるわけではありません。「このような環境は長くは続かない、いずれは学校が再開するはず」と言い聞かせ、一時的なものだと割り切ることにしました。

共有カレンダーでも、子のオンライン授業のスケジュールを公開し、その時間帯にミーティングや電話は難しいことをチームと共有しました。

アイディアのタネを減らさないためには?

現状、リモートワークでも、ほとんど差し障りなく仕事ができています。一方で、ちょっとした雑談から生まれるアイディアが少なくなりました。いまこんなこと考えている、次のプロジェクトはこんなことが検討できるかもしれない、など、アイディアのベースとなる”タネ”を共有することが、以前より減っているのではないかと感じることがあります。

とはいえ、雑談のために、「今ちょっといい?」と同僚にわざわざ電話をかけるのは、気がひけるもの。やはり、リアルに同僚と接することができるオフィス勤務は残るのではないかと思います。

これからの時代は、オフィス勤務の良さ、リモートワークの良さの双方を取り入れるため、両方を併用する「ハイブリッド型勤務」が広がるのではないでしょうか。それぞれの良さを生かすことができたら、私たちの生産性は最大化できるのではないかと、新たな働き方に期待を高めています。

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