フリマアプリで人気「コスメ」の取引、出品の許容範囲は?

フリマアプリの人気アイテムの1つは、コスメ。メルカリ、ラクマ、PayPayフリマなどで頻繁に取引されています。新品の商品もありますが、開封済、使用途中の中古品も多く取引は活発です。ただ中古品となると品質が気になりますよね。それは買う側も、売る側も同じではないでしょうか。そこで今回の記事では中古のコスメを出品する場合の許容範囲について書いてみたいと思います。


15年前のアイシャドウを出品しようとした知人

以前、ある知人から「アイシャドウを出品したい」と相談を受けたことがあります。有名ブランドのアイシャドウなので、「それなら売れるかもしれないね」と伝えたのですが、この後「え?」と思うようなことを知人が言いました。「それが、15年前の物なんだよね」と。15年前と言われた私は、正直驚きました。そもそも15年間ずっと保管していたこともそうですが、15年間放置されていたアイシャドウを売ろうとしたことに、びっくりしたのです。

「肌につける物」という認識は絶対に必要

15年前の物であっても、例えば着物とか本などであればまだまだ使える物もあります。ただアイシャドウなどのコスメ系は、私個人としては厳しいかなと思っています。それは未開封の状態でも同じです。食品なら賞味期限や消費期限が明確になっていますが、コスメの場合は明確な使用期限が書かれていないことも多いです。

使う側の気持ちになることも大事

そのため「いつまでなら使っていいの?」と迷うのも事実でしょう。でもコスメは直接肌につける物なので、例えば購入して2年、3年経っているとなると使うのに抵抗を感じてしまうこともあるでしょう。売る側は「もう使わないし……」と思っても、それを使う側の気持ちを考えないといけませんよね。

コスメ系のアイテムを出品するときのチェック項目

私自身も使用途中のコスメを出品することがあります。そのときにチェックしているのは以下のポイントです。

■商品の匂いや色、触った感じをチェック
私の場合、最初にチェックするのが色です。例えば化粧水などの液体の場合、古くなると変色がみられるなど、状態の変化がわかります。そして匂いを嗅いだり、実際に手にとって触ってみることもします。アイシャドウや口紅の場合は、匂いや色では判断しにくいので、触感の方を頼りにすることが多いです。

もし未開封の状態で匂いや触感を確認できない場合には、中で分離をしていないか、固まっていないかを見ます。以前3年前に買ったという未開封のグロスを見せてもらったことがありますが、中で分離をしていました。そういう物はいくら未開封でも出品してはいけませんよね。

■開封時期
開封した時期を確認すると、どのくらい開封した状態で置いていたのかがわかります。直接手で触れたり、化粧筆のような物で間接的に触れたとしても、なんらかの雑菌が付着している可能性が高いと思っています。

例えばいくら洋服をクリーニングに出しても、その後で触ると皮脂がついてしまう。それがカビの原因になると聞くのですが、おそらくそれと同じ考えでしょう。そのため、私は開封してから1年以上経過したものは安全性に問題がありそうと判断しています。そのためトラブル回避のためにも、出品は見送るようにしています。

■保管の状態
開封済であっても未開封であっても、どういう場所で保管をしていたのかも確認しています。湿度が高くて高温になるような場所と、一定の温度や湿度が保たれているような場所では、商品の状態に違いが出てくると思うからです。ただ一般的な家庭では、温度も湿度も一定に保たれるような場所は意外と少ないとは思います。季節によって外気の状態が変わるので、それを考えても保管期間が1年を超えてくると商品の状態に変化が見られるかもしれないと考えています。

自分だったら買うか自問してみて

商品によっては開封から1年以上経っても問題なく使えるものもあるかもしれません。ただ使う側のことを考えることも必要でしょう。コスメは肌につけるものなので、配慮しないといけません。もちろん売りたいという気持ちがあって、嘘を書くのは絶対にしてはいけないことです。

そして「自分だったら買うのか?」と立場を変えて考えてみましょう。売る側と買う側では感覚に違いが出てきてしまうので、客観性は必要です。「3年前の化粧品はちょっと」と思ったら、出品は諦めた方がいいでしょう。売ってからのトラブルを考えると、「売らない」という選択肢もとても重要になってくるのです。

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