注意すべき局面に 峰松俊夫医師(ウイルス学)

 県内では4日連続で新型コロナウイルスの感染者が確認され、高鍋町ではクラスター(感染者集団)が発生した。県医師会理事の峰松俊夫医師(ウイルス学)に感染例の特徴や見通しを聞いた。
 これまで県内の感染者は東京由来など感染源がある程度分かっていたが、この4日間の感染例の多くはどこからウイルスが入ってきたか分からない。今後も同様の事案が予想され、注意すべき局面に入ったと言える。
 ウイルスの潜伏期間は5~14日とされ、クラスターの中で誰が最初の感染者だったのか特定は困難。一方、濃厚接触者を割り出すことはできるため、今後の調査と検査でどこまでウイルスを封じ込められるかがポイントだ。PCR検査数は増えれば感染確認が増えるという見方もある。しかし、県内ではクラスターの発生で、感染者が増えていると見るのが自然だろう。
 県は感染者の病床204床を確保しているが、運営する医療スタッフの不足が懸念される。また認知症患者や重症心身障がい児などから感染者が出た場合にどこで受け入れるかははっきり決まっていない。議論を急ぐべきだ。

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