《ぐんま 看板娘がおもてなし in 高崎》女優・新條由芽さん 新旧の文化 交わる街

 交通の便が良く、人の流れが多い高崎市は、新しい文化の浸透が早い。古くから愛されてきた街並みに、新しい文化が柔軟に組み込まれ、特有の魅力を生み出してきた。そんな高崎市を注目の女優、新條由芽(ゆめ)さん(22)が学生時代の記憶とともに紹介する。

◎帰省するたび 新しい魅力

 フリーモデルで活動中、雑誌の巻末グラビア掲載を機にスカウトされた。ドラマ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(日本テレビ)など話題作に出演。放送中の「魔進戦隊キラメイジャー」(テレビ朝日)でキラメイグリーン/速見瀬奈役で出演するほか、雑誌の表紙を飾るなど多方面で存在感を放つ。

 今回巡った群馬音楽センターは1961年完成ながら、変わりゆく街に溶け込み文化のシンボルとして今なお輝く。カフェ「一路堂CAFE」、書店「REBEL BOOKS」は本来は違う目的で建てられたが、現代に合う工夫を加えて再生した。

 新條さんにとって「思い出が詰まった」高崎市は、帰省するたび新しい魅力が生まれている。

【一路堂CAFE】

 木製の門をくぐり、石段を下ると静かにたたずむカフェが目に入った。高校時代に友人と訪れた慈眼院の境内にある。和風スイーツや精進料理風ランチが楽しめる。

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 大きな窓の席で緑豊かな自然を眺めながら、抹茶ラテと季節限定夏ミカンのシフォンケーキをいただいた。

 中学、高校と茶道部の新條さんは、裏千家の点前を習得。「抹茶は大好きで、妹からもらった茶道セットでほぼ毎日お茶をたてている」

 (石原町2710-1・月、木、金曜定休)

【群馬音楽センター】

 茶道部に所属していた高校時代、毎年、県高校総合文化祭で訪れ、カラフルな壁画の前でお点前した。この壁画、センターを設計した建築家、アントニン・レーモンドが原画を手掛けた作品「リズム」とは知らなかった。

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 幾何学模様の床や円窓だらけのらせん階段など、随所に特徴的な造形が光るセンター。

 角張った天井のホールに入ると、上位の成績を残したピアノコンクールを思い出した。「一発勝負の仕事も緊張しないのはそのおかげかも」と笑顔を見せた。

(高松町28-2)

【REBEL BOOKS】

 本好きの店主が厳選した多彩なジャンルがそろう。青い引き戸と丸みを帯びたショーウインドーは、すし店だった建物の名残。「おしゃれな雰囲気」と笑顔を見せた。

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 「毎週花を1本、部屋に飾るんです」と手に取ったのは「花の辞典」。写真に花言葉が添えてあり気に入った。

 棚に並んだ本に目が止まった。「ドビュッシーと歩くパリ」。ピアノ歴は12年で「ドビュッシーやショパンの軽やかで流れるような曲調が好き」。

 (椿町24-3・不定休)

《わたしが撮るならこんな視点》

 慈眼院の白衣大観音を背景にスマホで自撮り。天候は悪かったが、傘の骨組みの間に観音様の輪郭が写る面白い一枚となった。

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 常に持ち歩きインスタグラムへの投稿にも使うフィルムカメラも取り出し、レンズを観音様に向けた。「友人とバスで訪れ、写真撮ったり、おみくじやったりしたなぁ」と記憶がよみがえってきた。

新條さんのインスタグラムはこちらから

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