日本初の西洋式近代病院「小島養生所」 一部復元へ、10月着工

一部を移設・復元する「分析究理所」の完成イメージ(長崎市提供)

 長崎市は、日本初の西洋式近代病院「小島養生所」(西小島1丁目)の関連遺跡「分析究理所」の遺構の一部を復元する。市立仁田佐古小校舎建設時に取り除いていた石垣などを同校敷地内に移設する。10月に着工し来年2月に完工、4月から見学が始まる見通し。
 分析究理所は1865年、小島養生所の開設を受けオランダ人医師ボードインが設立した。日本人に化学や物理などを専門的に指導し、長崎大薬学部の源流とされている。
 発掘調査で見つかった石垣は発掘場所から移設し、既に埋め立てた建物の基礎にあたる礎石などはレプリカで代用する。整備面積は420平方メートル。来校者以外も見学できる。
 市によると、2018年6月からの新校舎建設に伴い、地下に埋まっていた石垣などの遺跡を一部移設せざるを得なかった。ただ、貴重な遺跡のため記録・保存を検討、県内外の有識者の助言などを参考に整備を計画した。市は「遺跡を通して、地元の子どもらや県外の人にも当時の歴史を身近に感じてもらいたい」としている。

 


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