中村は本拠地200号本塁打、通算350二塁打達成の栗山はいよいよ2000安打
■西武 4-2 ロッテ(26日・メットライフ)
西武は26日のロッテ戦(メットライフドーム)で栗山巧外野手&中村剛也内野手のチーム野手最年長コンビの活躍で勝利。首位ソフトバンクにわずか1ゲーム差の3位につけている。週明けの28日からは、敵地でそのソフトバンクと6連戦が控えているが、ベテラン2人の“記録達成ラッシュ”がチームの勢いに拍車をかける。
この日、7番・左翼で先発出場した栗山は、2回1死一、三塁の好機に右中間を破り、通算350二塁打(史上45人目)を先制タイムリーで飾った。さらに1点ビハインドの6回には、6番・中村の右中間への同点適時二塁打に続き、栗山も“351本目”の決勝二塁打を放った。
辻監督が「栗山と中村が元気であることが、リーグ3連覇の鍵を握るというくらい大事な選手」と評する通り、この2人はチームの精神的支柱である。ともに西武一筋プロ19年目で、今年37歳になるチーム野手最年長。リーダーシップの権化のような栗山と、泰然自若としてどこかユーモラスな雰囲気を漂わせる中村のコンビは、絶妙にバランスが取れている。
栗山は春季キャンプの頃、39歳の松坂の加入を「僕とおかわり(中村)にとって、先輩がいてくれるのはありがたい。最年長と言われるより、若くいられますから。野手では僕らが最年長で、ちょっと下の世代というのもいない。(外国人のメヒアを除くと)次の木村、森越も5歳下です」と歓迎していた。が、結局松坂も、38歳の内海も、開幕1軍に名を連ねることはできず、栗山と中村が先頭に立つ格好となっている。
注目される辻監督のベテラン起用法「6連戦を考慮しながらやっていく」
幸い、2人とも開幕から打撃好調。26日現在、栗山がリーグ5位の打率.323をマークすれば、中村も打率.286、4本塁打。中村は栗山同様、16日の楽天戦で通算300二塁打を達成し、記念のボードを掲げたばかりだ。現在、「本拠地メットライフドームでの通算200号」にもあと1本と迫っている。さらに、すでに自身が保持している満塁本塁打20本のプロ野球最多記録の更新も期待されている。
一方、350二塁打を達成した栗山の次のターゲットは、あと144本の通算2000安打。本人が「まだまだ先の話」と言う通り、120試合に短縮された今季中の達成は至難だが、近付く名球会入りは強いモチベーションになる。チームも2人の記録達成に花を添えようと一丸になるはずだ。
ベテランゆえ、前日25日の試合で2人まとめてスタメンから外れたように、定期的に休養も必要。それでもシーズンを通して故障で離脱することなく、少なくともベンチにはいてもらわないと困る存在なのだ。「今季は試合数が少ないとはいえ、6連戦が続くので、考慮しながらやっていくしかない」と辻監督。例年以上に指揮官の“ベテラン操縦法”を問われるシーズンとなる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)