クアルタラロ、初めてロッシと共に上がった表彰台に「すごく不思議な気持ちになった」/MotoGP第3戦決勝会見

 MotoGP第3戦アンダルシアGPの決勝レースがスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、表彰台を獲得したファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が会見に登場。レースを振り返った。

■ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)/決勝:優勝

「(レースでは)あと何周、と残りを数えていたよ。とてもいいスタートを切れたけれど、昨日はホールショット・デバイスに問題をかかえていた。ゼロスタートになったんだ。今朝はスタートに取り組んだ。先週は練習でいいスタートが切れたけれどレースではポジションを落としてしまった。それを逆にしようとしたんだ。そして実際、すごくいいスタートが切れて、ペースもよかった。すごくうれしいよ。」

「先週は風が強くて、コンディションが難しかった。Moto2クラスのレース後はいつもグリップが下がってしまうのだけど、状況は違っていた。今日は序盤のパフォーマンスはよかったよ。けれどタイヤのグリップが落ちてくるにしたがって、フロントからのフィーリングが得られなくなった。今日は不思議なコンディションだった。僕の人生のなかでも、難しいレースのひとつだったと思う」

「正直なところ、去年は(バレンティーノ・)ロッシと表彰台に上がるチャンスがなかったから、すばらしい気持ちだったよ。表彰台ではロッシと勝利を分かち合うことができた。パルクフェルメでは、一緒に写真も撮ったよ。でも、すごく不思議な気持ちだ。子供のころ見たここヘレスのレースを覚えている。ロッシは最終コーナーで、セテ(・ジベルナウ)をオーバーテイクした。これをすごく覚えているんだ。言うなれば、これが僕がMotoGPライダーへの道を歩むモチベーションになった。よろこびを分かち合うことができて感謝しているよ」

■マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/決勝:2位

「オープニングラップが全てを示しているよね。1周目では、ファビオをオーバーテイクしようとした。僕はラインを開けようとしたんだけど、彼はすごく賢くて、ブレーキしてラインをカットしたんだ。それからバレンティーノとの争いでは、ペースに苦労した。戦略を変える必要があったよ」

「バレンティーノに近づくたび、どうして同じようにバイクを止められないのか、速く走れないのかわからず、苦しかった。バレンティーノの後ろについたとき、タイヤを冷やすために、少し下がることにした。それから、追い上げようとしたんだ。レースはすごく複雑だったけど、集中して全力を尽くした」

「最終ラップはおもしろかったね。バレンティーノをオーバーテイクしたかった。チャンピオンシップには20ポイントがとても大事になってくる。最後にはそれを獲得できた。今週の仕事には満足しているよ。でも、まだ改善できる。次戦ブルノは僕が好きなサーキットだから、きっともっとよくなるだろう」

「今日は(クアルタラロをとらえることは)不可能だった。バレの後ろにいて、彼をオーバーテイクできなかったし、リズムをつくれなかった。難しかったね。でも終盤、一人で走っているといいタイムを再び刻み始めた。ブルノに向けて、いい感じをもたらしてくれたし、モチベーションも感じているよ。もちろん、まだ改善すべきところはあるけどね」

■バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/決勝:3位

「とても特別な表彰台だった。先週はすごくよくなくて、すごくいらいらしたよ。でも先週だけじゃなく、2019年シーズン、表彰台を獲得した序盤を除く大部分がそうだった。ときには悪くなり、ときはとてもわずかによくなる。そしてひどいレースがあった。違った何かが必要だと、チームと一緒に戦ってきた。でもヤマハに多くの要求をしなくちゃいけなくて、これは簡単なことじゃなかった」

「でもあきらめず、金曜の朝から、違うことをしてみたんだ。それで、3周目から感じがよくなった。バイクがよくなり、コーナリングでのポジションもよくなった。今週はバイクをよくしようとし続けたし、さらに取り組みを続けていかないとね」

「レースはすごく難しかったよ。たくさん速いライダーがいるからね。けれど、先週のようなひどい結果ではなく、路面状況のよくないヘレスでいい結果になった。2016年、ヘレスで最後に勝利してから、これまでいつもひどいレースだったから。60度の路面温度で、表彰台獲得のレースができた。これは、僕たちの方向性が間違っていないということ。ブルノでも戦えるだろう」

「チームのみんなにとってもこの表彰台は意味ある。僕としては、先週のようにひどいレースの後、チームのみんなの顔を見て、言葉がなかった。もしかしたら、僕たちは“STAY AT HOME”するときなのかもね、と言ったよ」

「そして、来シーズンの決断も、すでに下していたから、ちょっと心配だった。バイクに乗っているとき、楽しくないから。もう長いこと同じ問題を抱えたままだから、すごくフラストレーションがあったんだ。ライバルを競い合うためには、たくさん学ぶ時間が必要。でも、コース上で楽しめるなら、いいことだよ。チーム全体にとっていいプロジェクトになっていると思う」

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