被災の子、絵本で笑顔に 「本熊本」実行委、人吉市にまず100冊贈る

全国から寄せられた新品の絵本を持つ矢野亜希子さん。「大人も子どもも手に取りやすい定番の作品を集めたい」と話す=23日、熊本市中央区

 県内の図書館司書や書店員らでつくる「本熊本(ボンクマホン)」実行委が、県南豪雨の被災地に新品の絵本を贈る活動に取り組んでいる。23日までに県内外から約300冊が寄せられ、人吉市内の避難所や保育所などに約100冊を届けた。

 同実行委は、本の魅力を紹介するイベントを毎年開催。今回の活動はメンバーの矢野亜希子さん(47)=菊陽町=が、人吉市出身の知人から「被災地の子どもたちに絵本を届けたい」と相談を受けたのをきっかけに、SNSで協力を呼び掛けた。

 絵本は新型コロナウイルスを考慮し新品に限り、雑貨店「ミドリネコ舍」(熊本市中央区)への郵送や持ち込みで受け付けている。人吉市内では避難所のほか、浸水被害に遭い「絵本の提供を受けたい」と申し出た保育所や幼稚園、診療所など10カ所に届けた。

 矢野さんは「不安な状況の中で笑顔を取り戻すために、絵本は絶対に需要があると考えた。被災地の状況を見ながら今後も必要な場所に届けていきたい」と話している。

 絵本は31日まで募り、八代市や芦北町にも届ける予定。問い合わせは矢野さんTEL090(5724)8001。

(平澤碧惟)

熊本日日新聞 2020年7月24日掲載

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