ロジスティクスを支える新しいメンテナンス・ソリューションを構築
トーヨータイヤはタイヤメーカーとして、タイヤのメンテナンスという側面から、物流の安全と効率を充足するアプローチについて、その可能性を探索してきた。
特に運輸業界においては、1~3ヶ月ごとに、人が計測機器を用いて1本ずつタイヤの溝の深さを測定、摩耗の点検を実施していることから、新しいソリューションとして、実測することなく適正にタイヤ使用状態を管理、メンテナンスしていくことができる推定モデルを実現。
トーヨータイヤは今後、これを運輸事業向けのビジネスモデルとして構築し、タイヤメーカーならではのメンテナンス・サポートの確立を進めていく。
メンテナンス・ソリューションはタイヤ選びにも繋がる
また、今回のメンテナンス・ソリューションは、今後タイヤの寿命を長持ちさせるような使用方法(交換ローテーションや最適運行ルートの提示、運転方法のアドバイスなど)やユーザーのニーズに合ったタイヤの提案など、安全やコスト低減といった課題解決にもつなげていくことができると考えている。
走行中にトラック・バス用タイヤの情報を自動集積
トーヨータイヤは、トラックやバスなど運輸車両のホイールに装着したセンサー(TPMS)によって、空気圧や内部温度といったタイヤの状態をデータとして自動収集。また、全地球測位システム(GPS)によって得られる位置情報や車両の加速度情報などと合わせて、リアルタイムでクラウドに蓄積する独自の情報集積システムを開発した。
これは、個別の車両運行状況によって異なるタイヤへの負荷や経年変化について、推定確度を高めるのに必要な情報を、適切かつ自動的に収集、蓄積されるようシステム化したもの。トーヨータイヤは、この生きたデータを運輸事業者の車両メンテナンス管理に活用していくという構想を具現化していく。
トラック・バス用タイヤ使用(摩耗)状態推定モデル
情報自動集積システムに蓄積されたデータをもとに、より高い精度でタイヤの使用状態を推定し把握できるよう、タイヤそのもののマスター情報をはじめ、外部データベースから取得した天候データなどを統合するとともに、AI技術を用いてデータ解析処理を行なう。
トーヨータイヤは、実証実験を重ね、運行状況によって異なる各運輸車両のタイヤ使用状態、つまり、タイヤの摩耗進行度合いを、個別に実測することなくデジタル環境の中で推定することができるモデルを構築した。