47歳でセミリタイアを実現、人生を好転させた「ある出会い」とは?

今回は普段の「1つのテーマに関してお金・キャリアについていかに考えるか」ということではなく、【特別編】として、「人生全般に関するお金・キャリアについて」を考えてみます。


先日、「送別会」「壮行会」的な会を開いてもらいました。名前は伏せますが、錚々たるメンバーが渋谷の居酒屋に来てくれ、8月31日をもって編集者・PRプランナー業を辞めてセミリタイアして、ライターに戻る私と飲んでくれたのです。

実に楽しい時間だったのですが、この時つくづく感じたのが「人は誰と出会うかで人生が開けてくる」ということです。そこにいた全員に対して深い感謝の念があるし、その人達のお蔭で仕事人として楽しく、そしてたくさんお金を稼がせてもらえました。

今の自分の「きっかけ」だった人

中には、千葉商科大学准教授の常見陽平氏もいましたが、恐らく大学時代に彼と会っていなかったら自分は今、こうして文章を書いてお金をもらう生活をしていないと思います。我々は学生プロレス団体の「HWWA」の構成員で、部員獲得のために「プロ研スポーツ」というミニコミ誌を毎月発行しており、文章執筆・編集業務を大学時代からやっていました。そんなこともあり、「モノを書くって面白そうだな」と、今の人生に繋がっているのです。そうでない人生の方がもしかしたら幸せだったのかもしれませんが、とりあえず現状私は今の自分の人生は100点の満足度があるため、彼には心から感謝しています。

そしてこの日は来られなかったのですが、赤いバラの花を贈ってくれたのが『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』(光文社新書)や『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)などの大ベストセラーの編集者として知られる株式会社STOKEの柿内芳文氏です。2009年、私にとって初のヒット作となる『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)を編集してくれた同氏にはこうお礼のメールを書きました。

〈柿内さん こんにちは。中川淳一郎です。このたびは立派なお花をいただきましてありがとうございました。お蔭様で良い会になりました。なんだか柿内さんに本を編集していただいてから人生が上向きました。本当にありがとうございます。あれがあったため、仕事が仕事を呼び、かくして47歳でのセミリタイアに至ることができました。本当にありがとうございました! 添付のように、最後に花を持ってみんなで記念撮影をしました。 中川〉

これに対して柿内さんからはこうお返事をいただいた。

〈中川さん!! ご丁寧に写真ありがとうございます(いやはや、凄いメンツですね......)。中川さんと広尾の「きらく亭」で出会った日、新宿の「キリンシティ」で打ち合わせをした日々が懐かしく、そしてまた僕の中でも輝いています。青春です。

いまだに「back to exciting life」とか「今日のご飯はカルボナーラ」といった強烈なキーフレーズが、朝シャワーを浴びている時などにふと脳内にリフレインしますよ(笑) 引退後の中川さんが、さらにさらに輝くことを祈って、情熱の赤い薔薇を贈らせていただきました!あらためて、「引退」おめでとうございます。 柿内〉

ここで出てくる「back to exciting life」とは、書籍の「はじめに」の前にいかにネットがバカかを出す実例として、芸能人によるどうでもいい日常報告に「絶賛キャーキャーコメント」がつく様子を再現したものです。私の後輩・K君というイケメンに「YOSHIAKI」という俳優になってもらい、そいつのブログが「back to exciting life」といダサいタイトルになったことを指します。

「今日のご飯はカルボナーラ」については、「今日のランチはカルボナーラ(*^_^*)」などとmixiに書かれるどうでもいい書き込みにもうんざり、といったことを書いたことに由来します。柿内さんは「青春」と書いていますが、あの時私は35歳、柿内さんは30歳でした。自分の場合、これから数年で売れなかったら会社員に戻るのも手かな、と思っていたのですが、柿内さんと出会ったためにその選択は回避できました。

今回の壮行会、本当に自分にとっては大切な人々が多数訪れてくれましたが、全員があっての現在です。結局仕事人として成長・躍進するためには誰かの関与が必要となってくるのです。互いが互いを高め合い、一緒に成長していく。相手を利用すると考えるのではなく、相手への貢献も視野に入れた上で、互いに仕事を進めていく。かくして人は一つ高みに行けるのです。

柿内さんについては本当にお世話になりました。彼がいたからこそ本が出せ、その後様々なオファーをいただき、恵まれた人生を送ることができました。ですので、「この出会いは素晴らしい!」とJ-POPの歌詞のような出会いがあった場合は徹底的にその出会いを深くすることを考え、その人と切磋琢磨しながら仕事を完遂していけば、幸せな仕事人人生を送れるのではないでしょうか。

今回登場した約20人とは1人を除き、「仕事」を通じて出会いました。幼馴染や学生時代の友人は常見氏のみで、仕事を通じて培った友情やら愛情あってこその社会人だよな~、としみじみ思うのです。

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