JR九州長崎支社 取り扱い収入65%減 新型コロナや大雨響く 「Go To トラベル」商品で利用喚起図る

 JR九州長崎支社は29日、4月以降の取り扱い収入が前年同期比65.3%減の13億4千万円に落ち込んでいることを明らかにした。新型コロナウイルスや大雨の影響で乗客数の低迷が続いている。政府の観光支援事業「Go To トラベル」を活用した商品などで利用喚起を図る。
 券種別で見ると、収入の柱である中長距離(51キロ以上の乗車券など)が77.1%減と苦戦が目立つ。緊急事態宣言下の外出自粛などで4、5月が9割近く減り、7月(27日時点の速報値)も感染拡大に大雨が重なり、6割減の水準となった。近距離も同様の傾向で半減。定期券は4月に学校の一斉休校で減り、再開後の5、6月は前年並みに回復したが、累計は18.3%減にとどまっている。
 西川佳祐支社長は「ウェブ会議やリモートワークの普及でビジネス客が減り、福岡市内のコンサートなど大規模イベントの中止も響いた」と分析した。
 お盆の長崎線の指定席予約率(21日時点)は9.1%と前年同期を25.3ポイント下回った。GoTo対象商品の申し込みも「まだ少なく、様子見の状態」(同支社担当者)。西川支社長は「車両は消毒や換気など感染防止策を講じており、人々に『遠出したい』と思ってもらえる企画を打ち出していきたい」と述べた。
 「駅長おすすめのゆ」などGoTo対象商品は、長崎や佐世保、諫早など主要駅で申し込み受け付け中。インターネット予約で福岡方面のきっぷを購入・利用すると抽選で食事券などが当たる「福岡!再発見の旅!」キャンペーンも8~10月に実施する。

 


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