IDC、国内大企業の49%がCOVID-19による業績悪化を懸念しつつもIT予算を増やすと発表

IDC Japan株式会社は、国内ITサービス/アウトソーシングの利用実態について2020年5月上旬にユーザー調査を行い、その集計/分析を行った結果を発表した。ITサービス/アウトソーシングを利用している国内企業のCIOや情報システム部門長、またはそれに準じる立場の管理者、計1,467名を調査対象としている。調査結果によると、国内企業は従業員規模が大きくなるほどIT予算を増やす傾向にあり、2020年度のIT予算の計画では、従業員1,000人以上の企業の49.0%が増やす予定であると回答した。一方で新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による業績への影響は、規模が大きい企業ほど「悪影響が大きい」とみる傾向にあり、全体では60%以上の企業が直近(5、6、7月)の売上が減少すると回答している。国内企業はCOVID-19による業績悪化を懸念していながらもIT予算は増やしていく企業が多く、企業にとってより一層ITの重要性が高まっていると共に、COVID-19による影響を、ITを活用することで乗り越えようとする姿勢もうかがえる。COVID-19による影響を踏まえた上で、中期的(3年後)にIT投資額が増加すると思われるテクノロジー領域についてたずねた結果では、2019年度に投資したテクノロジー領域に比べると、5GやAI/機械学習/コグニティブ、ロボティクスといった技術への投資が増加するとした回答が、企業の従業員規模に関わらず多くなった。COVID-19による影響を経て遠隔操作や自動化、テレワークが普及することに対応するためのテクノロジー投資が増えると考えている企業が多いと想定される。これらを踏まえると、国内企業、特に大企業ではCOVID-19によってもたらされる課題に対し積極的にIT投資を行い、テクノロジーを活用することで乗り越えようとする志向が強いことが予想される。IDC JapanのITサービスのマーケットアナリストである井辺将史氏は「国内サービスベンダーは、企業の自動化のニーズがより一層高まることを明確に認識し、DXを支援するテクノロジーの中でも、特に自動化を促すAIやロボティクスといったテクノロジーに対して、より一層の高度化を図る必要がある」と述べている。

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