西海でマイクロダイヤ発見 国内2例目、熊本大研究グループ 変成岩からは初

マイクロダイヤモンドの透過電子顕微鏡写真。個々のマイクロダイヤモンドは0.2~0.6ミクロン程度の大きさ(愛媛大・大藤弘明教授撮影)

 熊本大先端科学研究部の西山忠男特任教授(65)らの研究グループは31日、西海市で採取した西彼杵変成岩から、ミクロンサイズ=1ミクロンは千分の1ミリ=のダイヤモンド「マイクロダイヤモンド」を発見したと発表した。国内2例目。

 1例目は2007年の愛媛県の火成岩で、変成岩からは国内で初めて。同市雪浦地区の4カ所で採取した岩石を電子顕微鏡などで分析し0.2~0.6ミクロンの結晶が見つかった。西彼杵変成岩は約9千万年前の白亜紀に形成され、同時期の長崎半島や天草の変成岩も含め長崎変成岩と呼ばれている。
 変成岩中に含まれるマイクロダイヤモンドは、堆積物が地下120キロ以深に沈み込み、再び上昇したことを示すという。主に大陸と大陸の衝突帯で生じるとされ、日本の変成岩からは見つからないと考えられていた。大陸衝突帯以外での発見は14年のイタリアアルプスに続いて世界2例目。
 西山特任教授はオンライン会見で、九州西岸に分布する長崎変成岩はこれまで関東から九州に東西に延びる三波川変成帯の延長と考えられてきたが、発見により独立していることが明らかになったと説明。「朝鮮半島の東側付近で形成されたものが横ずれ断層で現在の位置まで移動したと考えている」とした。
 西山特任教授は長崎市出身。40年にわたり西彼杵半島を中心に調査を続けてきた。7年前に採取した岩石から「らしきもの」を見つけ、人工ダイヤの混入でないことなどを調べてきた。「非常に驚いている。(調査の中で)極めて珍しい鉱物も見つかっている。(雪浦地区周辺は)より深い地層から岩石が表出した特殊な場所」と話した。

 


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