雪浦の地域おこし学ぶ コロナ禍、一時帰国の青年海外協力隊員

研修期間中の成果を報告する隊員=西海市大瀬戸町、雪浦ゲストハウス森田屋

 世界規模で広がる新型コロナウイルスの影響で一時帰国した国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員が、西海市大瀬戸町雪浦地区で研修、農作業や石鍋作りなどの活動を通じて地域おこしへの理解を深めた。
 JICAによると、新型コロナウイルスの影響で75の発展途上国で活動していた約1700人の隊員(シニア隊員含む)は4月末までに帰国。再派遣の見通しは立っていない。
 今月中旬の5日間実施した研修には、九州内の20、30代の8人が参加。海外協力隊員の目的の一つ「帰国後の社会還元」の実例として、元隊員が代表を務める西海市のNPO法人「雪浦あんばんね」(渡辺督郎理事長)が運営する宿泊施設に寝泊まりしながら学んだ。
 隊員らは同法人の農園で作業をし、中世に西彼杵半島で生産されていた石鍋を作るなどして地域の人と交流。まち歩きイベント「雪浦ウィーク」などの取り組みについて説明を受けた。
 ネパールで防災、環境教育に取り組み3月に帰国した福岡県職員の林明寿佳さん(29)は「民間から見た地域おこしを、医療、観光など異分野の人と学ぶことができ新鮮だった。復帰後に生かしたい」と話した。

© 株式会社長崎新聞社