長崎からダンス文化発信 「リボン ダンス スクール」小金丸知華代表(39)

「全国レベルのスクールにしたい」と語る小金丸代表=長崎市幸町、「リボン ダンス スクール」

 長崎市幸町の「リボン ダンス スクール」。壁の一面が鏡張りの教室にヒップホップの重低音が響く。「リズムをもっと意識して」。切れのあるステップを踏みながら、振り付けを教えているのは同スクールの小金丸知華代表(39)。「長崎からストリートダンスの文化を発信したい」。そんな思いを胸にプロダンサーから指導者に転身、同校を創立して14年になる。
 長崎市で生まれ、小学校低学年から高校卒業まで約12年間バレエを習った。ストリートダンスに興味を持ったのは高校3年。文化祭で友人らとヒップホップを踊ったのがきっかけだった。「バレエ一筋だったので振り付けが新鮮に感じられ、たちまち夢中になった」

 柔軟性生かし

 活水女子短大に進学後も、同市内のダンス教室で技術を磨いた。バレエで身体の柔軟性が培われていたこともあり、上達は早かった。2002年、日本最大級のストリートダンスコンテスト「JAPAN DANCE DELIGHT」で決勝大会出場。「プロのダンサーになりたい」と思うようになる。短大卒業後に上京し04年、人気グループ「EXILE(エグザイル)」のメンバーらを輩出したダンススクール「エグザイル プロフェッショナル ジム(EXPG)」に入校した。

 大役やり遂げ

 全国から集まった生徒は、レベルの高い若者ばかり。厳しいレッスンが続いたが、「切磋琢磨(せっさたくま)する仲間がいたおかげで頑張れた」。同年、エグザイルのライブツアーに参加。マリンメッセ福岡(福岡市)で開かれた公演ではオープニングを飾るダンスを披露。「大役をやり遂げて、本当にうれしかった」と懐かしむ。
 入校1年でインストラクターに抜てき。EXPGに入社し、エグザイルのツアーやGLAYなど大物アーティストのプロモーションビデオに出演する一方、講師として生徒を指導する立場となった。しかし徐々に会社員としての生活に違和感を覚えるように。そんな時、長崎の知人から地元にダンス教室を開いてほしいと頼まれ退職、帰郷した。

 流行の最先端

 06年、「リボン-」開校。当初、生徒は5人だったが、丁寧で熱意のある指導が評判となり、現在は県内5カ所に教室を設け幼児から60代まで約300人の生徒を持つ。最先端のダンスを教えるため、米ロサンゼルスのスタジオで定期的に開かれる研修会に講師を派遣している。「全国レベルのスクールを長崎で作り上げていきたい」と話す。
 子どもたちを指導する上で、あいさつなど礼儀を身に付けてもらうことも重視する。ラフなファッションで踊るストリートダンスは大人に悪い印象を与えがちだからだ。「健全な文化活動だと多くの人に理解してもらい、ダンス愛好者を増やしていきたい」と意欲を語る。

生徒に振り付けを教える小金丸代表(中央)

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