祭りは中止でも地域のつながりを大切に 大殿「軒先ちょうちん」

▲軒先ちょうちん

 新型コロナウイルスの影響で「山口七夕ちょうちんまつり」は中止になったが、毎年祭りを通して住民同士が交流を深めてきた大殿地域では「2020つながる大殿七夕ちょうちん」事業として8月6日、「軒先ちょうちん」を飾り、各家庭で静かに祭りの風情を楽しむ。

 軒先ちょうちんは、中に乾電池式のLEDキャンドルを入れ、約1メートルの竹竿につるして軒先に掲げる。これまでも祭りを盛り上げるために地域の民家や店先に飾られてきた。「今年はより多くの人に」と大殿コミュニティ協議会が100セットを用意。地域内で協賛する住民に配布した。

 同実行委員会の清水力会長は、「イベントの多くが中止になる中で『中止ばかりでは元気が出ない』という声を受け、コロナ禍にあってもできることを検討した。LEDの灯りで地域のつながりを再確認してほしい」と話す。

 「つながる大殿七夕ちょうちん」事業は、地縁の復活と伝統文化の継承を目的に2009年に始まった。毎年同祭りに合わせ、築山神社で大内氏の霊を慰める「なごめ祭り」や、八坂神社で火打ち石を使った「火起こしの儀」と分灯、町内に4000個以上のちょうちん飾りつけ、子ども地域歴史学習会、山口ふるさと伝承総合センターでの縁日と和楽コンサートなど、毎年様々な活動に取り組んでいる。

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