複数の飲食店が配達機能を”シェア” 国内大手「出前館」が長崎でサービス開始

シェアリングデリバリーのモデル図

 国内最大級の出前サービス、出前館(大阪市)は4日、複数の飲食店が配達機能を共有する「シェアリングデリバリー」サービスを長崎市で開始した。新型コロナウイルス感染症によりニーズが拡大しており、長崎市内の外食事業者「四季咲」が配達員を雇い、代行する。
 出前館は2017年、加盟対象を宅配専門店から拡大。人手不足や労務管理リスクなどを理由に配達機能を導入できずにいる飲食店向けに同サービスを導入した。本県は22都道府県目。
 客が出前館のアプリや専用サイトを通じて注文すると、店と配達パートナー(契約会社)に同時に伝わる。パートナーの指示で配達員が店に出向いて料理を受け取り、バイクなどで客のいる自宅や職場に届ける。同社は「配達パートナーが責任を持って配達員を管理するので、安心して委託してもらえる」としている。
 四季咲は居酒屋「うたげや炉談」(同市浜口町)などを経営。緊急事態宣言に伴う休業明けの5月に出前館に加盟、当初は自前で配達していた。その後、同じように来客減少に苦しむ複数の同業者から相談された山下亮太取締役(31)が出前館に申し出て、配達パートナーを引き受けた。配達員は10人確保した。
 山下氏は「他の加盟店の看板も背負うので責任は重い。コロナ禍で外食を楽しめずにいる方々に、いろんな人気店の味を届けたい」と話す。
 出前館によると、加盟数は全国2万4千店(5月末)、県内約40店。加盟するには初期登録費用(2万円、10月末まで無料)とサービス利用料(売り上げの10%)、配達代行費用(同30%、10月末まで23%)が必要となる。

出前館を通じて注文を受ける配達員=長崎市浜口町

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