逗子斜面崩落 神奈川県警が現場検証、県は緊急点検開始

県道の向かい側からも斜面の状況をチェックした=座間市入谷西

 神奈川県逗子市池子の斜面崩落事故を受け、県警は12日、現場検証を行った。今後、崩落原因などについて調べを進める。

 午前9時ごろから始まった検証は、同市消防本部も加わって計15人以上で実施された。捜査員がはしご車に乗り、機材などを使って斜面を調べた。終了後には、同市消防本部が斜面の一部にブルーシートをかけるなどした。同市は「今後の雨予報を受けて、二次崩落を防ぐための応急措置」としている。

 また、県の緊急斜面点検も始まり、12日は座間市の県道51号線沿いで落石や倒木の有無を調査し、崩落の前兆がないか確認した。

 県道路管理課によると、緊急点検は県道と県が管理する国道脇の全ての斜面が対象。土砂災害警戒区域の指定エリア外でも実施する方針で2月中の完了を目指す。調査結果はその後、取りまとめるという。

 目視を中心とした点検で崩落の危険性があると判断した場合は、周囲の通行を規制した上で、早急な対策に向けた工法を検討する。斜面が民有地の場合は、所有者に崩落防止措置を呼び掛ける考えだ。

 この日、点検したのは、座間市入谷西1丁目の公園付近の民有地。県道脇のブロック積み擁壁(高さ約5メートル)の上に高さ5メートルほどの斜面があり、樹木などに覆われている。県厚木土木事務所東部センターの担当者4人が約100メートルにわたって状況をチェックし、落石や倒木、樹木の傾きや枯れ具合などを調べた。同センターの宮島直人道路維持課長は「崩落の兆候は見受けられなかった。漏れがないようしっかり点検していきたい」と話した。

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