セルジオ・ペレスの欠場や代役ニコ・ヒュルケンベルグのF1復帰の話題が吹っ飛んでしまうほど、レース終盤に信じられないドラマが待っていたイギリスGP。それでも優勝は譲らないメルセデスF1とルイス・ハミルトンの牙城をどうやったら崩すことができるのか? 興奮冷めやらぬシルバーストンの様子をドライバーや関係者のSNSで振り返っていこう。
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薄氷を踏む思いでゴールに飛び込んだハミルトン。これだけのアクシデントに見舞われながら、3輪走行でも優勝を譲らないメルセデスF1の強さは、ライバルたちにとって悪夢でしかない。
レース終盤、「水分補給を忘れるなよ」と無線で余裕を見せるマックス・フェルスタッペン。
2週間前とは同じ2位でもまるで違う2位。どんな状況下でも最強メルセデスF1の一角を切り崩し、結果を持ち帰ってくる“チーフ水分補給係”のフェルスタッペンは頼もしい存在だ。
打倒ハミルトンにチームの結束はますます強固なものになっていく。
新型コロナウイルスの検査で陽性となったペレスの代役として緊急招集されたヒュルケンベルグ。残念ならがマシントラブルにより決勝出走は叶わなかったが、チャンスがすぐ翌週にやってくる可能性が濃厚だ。名前をもじった「#hulkenback」のタグにセンスを感じた。
「ダメだ、ダメだ」と言われながらも、4戦終了時点で今季2度目の表彰台を獲得したフェラーリF1のシャルル・ルクレール。ライバルのトラブルで訪れたチャンスを確実にモノにできるのもドライバーの才能。
メルセデス勢と時を同じくしてタイヤトラブルに見舞われたカルロス・サインツJr.は、フロントタイヤなしで優勝したハミルトンのことを無線で聞かされ、「レースの最後の最後にP4の12ポイントを失ったのはつらい」と落胆の雄たけび。
英国に本拠地を置くレーシングポイントF1とウイリアムズF1は、NHS(National Health Service)、イギリス国営の国民保険サービス従事者を労った。
今回は1950年英国GPのF1初レースで与えられたトロフィーの復刻版が用意された。これをイギリスGPで渡してしまったら、同じくシルバーストンが舞台となる今週末の70周年記念GPはどうなる?
イギリスGPのタイトルスポンサーを務めたピレリにとっても、F1との歴史的パートナーシップを祝う記念グランプリだったのだが……。
入賞圏を争いながらもレース終盤に明暗が分かれたマクラーレンF1のサインツJr.とランド・ノリス。無観客の母国グランプリを戦ったノリスは、「お家で応援してくれたみなさん、平和と愛をありがとう」と心温まるメッセージ。
活躍したレース後にさりげなくもう一度、ヘルメットをデザインしてくれた6歳のエヴァちゃんに感謝を伝えるノリス。こういうところが各方面に好感度爆上がり中の理由だろう。
数年間のチーム改革が実を結び、甦りつつある名門マクラーレン。かつての英雄たちと肩を並べるような活躍を期待したい。
ウイリアムズF1はジョージ・ラッセルの奮闘もあり、昨シーズンのような毎回テールエンダーの状況から脱しつつある。
イギリスGPからレースエンジニアが代わり、チーム一丸となってアレクサンダー・アルボンのサポートに尽力しているが、フェルスタッペンとの差はまだまだ大きい。
その一方でアルファタウリF1のピエール・ガスリーは昨年の今ごろとは打って変わってノビノビとレースができている。
「あと数周あれば表彰台に届いていた」と4位フィニッシュのルノーF1、ダニエル・リカルド。久々にポディウムに登壇できたとしても、現状ではシューイは封印に違いない。
リカルド、エステバン・オコンがP4&P6のダブル入賞で、ともに今季の自己ベストを更新したルノーF1。
予選ではチームメイトの後塵を拝し、ノーポイントのレースが続くアイスマン。アルファロメオF1との契約期間は今季いっぱい。そろそろ来季の去就が気になる季節だ。
「自分の力の及ばないところでマシンのコントロールを失ってしまった」とうなだれるダニール・クビアト。この後、近づいてきたテレビカメラを払いのけるシーンが放送された。
噛み合わないレースが続いているロマン・グロージャンは、イギリスGP翌日にとりあえず気分転換。
バルテリ・ボッタスはあれだけ2位を好走していながら不運のノーポイント。同じようにタイヤトラブルに見舞われたハミルトンと明暗が分かれた。
ん……これは、来季の契約完了の肘タッチ?
やたら自己主張の強いパンツでレース後の記者会見に登場したウイナーのハミルトン。
今シーズンからブラックに変わったメルセデスF1のマシンに、凄味すら感じるパープルのヘルメット。最高の戦利品、モエ・エ・シャンドンと優勝トロフィーがよく似合う。