IMSA:マツダ、雨とピットタイミングの不運に泣き優勝逃す。ロード・アメリカは5、6位

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の最高峰DPiクラスに参戦しているマツダモータースポーツは8月2日、アメリカ・ウィスコンシン州で行われた第4戦ロード・アメリカで優勝争いを演じるも、突然の降雨に翻弄され55号車マツダRT24-P(ジョナサン・ボマリート/ハリー・ティンクネル組)が総合5位、僚友の77号車マツダRT24-P(オリバー・ジャービス/トリスタン・ヌネス組)は総合6位という結果に終わった。

 前戦のセブリングではファイナルラップでのガス欠により表彰台を逃してしまったマツダ勢。今回はその反省を踏まえ、予選3、4番手からスタートした2台のマツダRT24-Pはレース前半、必要以上のプッシュを控え前を走るアキュラ・チーム・ペンスキー2台の後方に待機して勝機を待つ戦略を採った。

 スタートから約1時間後、2番手を走っていた6号車アキュラARX-05が55号車との接触によってタイヤをパンクさせて戦線を離脱したことでマツダ勢は2、3番手にポジションを上げる。その後、トップの7号車アキュラARX-05のすぐ背後に迫ると、レース開始から90分後のピットイン後には77号車を駆るジャービスがライバルを捉えて総合首位に躍り出る。

 しかし、その直後にロード・アメリカは夕立に襲われ、一瞬にしてウエット路面となったトラックではコースアウトやクラッシュするマシンが続出。レースはすぐさまフルコースコーションが出され、セーフティカー(SC)ランへと移行した。この混乱のなか、77号車はピットに入るタイミングを逸しドライ路面用のスリックタイヤのままSCランを続けることになってしまう。

マツダモータースポーツの55号車マツダRT24-P(ジョナサン・ボマリート/ハリー・ティンクネル組)
マツダモータースポーツの77号車マツダRT24-P(オリバー・ジャービス/トリスタン・ヌネス組)

 
 その後、レースは赤旗中断を経て残り30分で再開されるも、依然としてSCランが続く状況。このままSCの先導でチェッカーを受ければ77号車が優勝となったが、雨脚が弱まったことからフィニッシュまで残り7分となったところでグリーンフラッグが振られる。

 それと同時に77号車はピットに向かいウエットタイヤに交換してコースに復帰するも、すでに勝負権はなくなっており最終的に5位でチェッカーを受けた55号車の後方、6位でフィニッシュすることとなった。

「結果は残念なものだった。しかし、今日のマツダRT24-Pの走りはまさにアメージングといえるものだ。なぜなら、つねにトップ争いに加わることができたからね」と語るのは、マツダUSAモータースポーツ担当ダイレクターのネルソン・コスグローブ。

「我々は突然のヘビーレインにより、一気に不運を引き受けることになってしまった。ピットインしてタイヤを交換するチャンスを失い、たった7分の間に勝利へのチャンスをも失った」

「しかし、レースウイークを通じてハードワークしてくれたチームとドライバー、そしてパートナーの皆さんに心から感謝を伝えたいと思う」

 シリーズチャンピオン獲得を目指して戦うマツダモータースポーツが挑む次戦第6戦はロード・アトランタでの6時間レースだ。このレースはワトキンスグレン6時間の中止にともなう代替レースで、9月3~6日に開催される。

55号車マツダRT24-Pのシャークフィン(エンジンカバー)にはマツダ100周年のロゴが描かれている
IMSAシリーズの最高峰DPiクラスに参戦している2台のマツダRT24-P
総合6位でフィニッシュした77号車マツダRT24-P
総合5位でフィニッシュした55号車マツダRT24-P

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