7イニング制での完全試合&ノーヒッターは参考記録扱いに

2020年シーズンは選手の負担を軽減するために、ダブルヘッダーでは7イニング制が採用されている。これに伴い、投手の記録について公式見解が発表され、試合が9イニング以上行われない限り、ノーヒッターと完全試合は参考記録扱いとされることになった。

7イニング制の試合であっても、先発した投手が勝利投手の権利を得る条件は変わらない。つまり、先発投手が勝利投手になるためには、最低5イニング以上を投げる必要がある。また、相手チームに得点を許すことなく7イニングを投げ抜いて勝利した場合は、従来同様に「完封」が記録される。

しかし、ノーヒッターと完全試合については事情が異なる。メジャーリーグの公式記録機関であるエリアス・スポーツ・ビューロー社によると、7イニング制の試合では、投手やチームに「ノーヒッター」や「完全試合」は記録されないという。ただし、試合が9イニング以上の延長戦となり、なおかつノーヒッターや完全試合が達成された場合は公式記録となる。

エリアス社の見解は、1991年に当時のコミッショナーであるフェイ・ビンセントが示した「ノーヒッターと認められるためには、投手はヒットを打たれることなく9イニング以上を投げ抜く必要がある。9イニング未満の試合でヒットを打たれなかった場合、それは『優れた業績』と見なされるべきだ」という見解に基づいている。

2020年シーズンの最初の13日間で行われた150試合のなかで、先発投手が7イニング以上を投げたケースはわずか17度しかない。9イニングを投げ抜いたのは、開幕戦で完封勝利をマークしたカイル・ヘンドリックス(カブス)だけだ。それに加え、7イニング制の試合では、8回以降の延長戦が無死二塁からのタイブレークとして行われるため、7イニング制で行われるダブルヘッダーの試合での快挙達成は至難の業となりそうだ。

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