EHang、消防用ドローン「EHang 216F」発表。多発する高層階火災に有用か

AAV(自律型空撮車)技術プラットフォーム企業であるEHangは、EHang 216をベースに新しい消防バージョン「EHang 216F」を発表した。EHang 216Fは高層ビルの消火活動に特化した設計となっている。

今回の発表により消防や緊急救助などの様々な実用化に向けて製品化する能力をさらに証明した。 中国では何十万棟もの高層ビルが建設されており、同社は「EHang 216F」が中国全土の何千もの消防署、ひいては世界中の消防署にとって必要不可欠な一機となると確信している。

高層階の消火活動用に設計された216Fは、1回の飛行で最大150リットルの消火泡を放つ事ができる。さらに消火器爆弾を6機搭載している。216Fは可視光ズームカメラを使用して火災の場所をすばやく特定後、所定位置にホバリングし、レーザー照準装置を使用してウィンドウブレーカー、消火器爆弾、泡消火剤の散布を連続的に行う。

EHangでは、216Fを都市部の消防署に配備し、半径5km以内の消火活動支援することを想定し、同社の自動操縦技術と遠隔集中管理技術を用いて、1つの火災に複数の216Fを迅速に展開できることを示唆している。

EHang創業者CEOの胡華智(Huazhi Hu)氏は、以下のようにコメントしている。

高層火災の使用例は、さまざまなスマートシティの管理では需要に応えるべく当社のAAVプラットフォームを実用化することは有用でしょう。当社のインテリジェントAAV技術プラットフォームの可能性は無限です。今後もユースケースの探究、ソリューションの開発をしていきます。

EHang社中国雲府市で行われた進水式で216Fを披露した。雲府市の消防署長、Weiqiang Chen氏は以下のようにコメントした。

EHangのインテリジェントな空中消火ソリューションは、高層火災の消火における困難な問題を解決することができます。これは既存消防システムを補完し、社会の緊急事態への対応能力を向上させます。

高層火災は、はしごやホースの届く範囲を超えていることが多く、交通量の多い密集した都市環境に位置しているため、地上車両の応答時間が遅れる可能性があると見解している。同社は、2019年に中国の高層ビルで7000件近くの火災が発生しており、前年比10.6%の増加を示していることを示すChina Fire Magazineの統計を引用して説明した。

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