エンゼルス・大谷が会見「可能性があるなら二刀流を続けたい」

大谷翔平(エンゼルス)は右腕の故障により2020年シーズン中に再びマウンドに立つことが絶望的となってしまったが、自身の状態について「右肘の炎症のような感じ」と表現したように、それほど深刻には捉えていないようだ。日本時間8月6日にリモート会見に応じた大谷は、来年二刀流を再開することへの意欲を見せた。

大谷の状態は「右前腕屈筋回内筋のグレード1~2の損傷」と公式発表されている。要するに「右前腕痛」である。しかし、大谷自身はトミー・ジョン手術後のリハビリ中から右肘の張りや痛みを感じており、どのタイミングで故障が発生したかはわからないという。今年の残り試合は打者に専念することが発表されているが、大谷は来年再びマウンドに立つことができると楽観的に考えている。

「トミー・ジョン手術を受けたときほど深刻ではないですし、右肘のちょっとした炎症のような感じ」と自身の状態について語った大谷。「野手をやれと言われたらやりますし、投手をやれと言われたらやりますけど、どちらも出来るのであれば、可能性があるならやりたい」と二刀流への思いを口にした。

大谷は日本時間8月6日の試合前(対マリナーズ)に打撃練習を行ったが、大事を取って2日連続で欠場。しかし、ジョー・マドン監督は明日のマリナーズ3連戦の最終戦で大谷を指名打者として起用する方針を明らかにしている。

「今は今シーズンに集中しないといけない。チームに貢献できる方法は打撃だけなので、打撃に集中しないといけない。オフシーズンになれば、通常の投球プログラムをこなせると思うので、パワーアップできるようにしたい」と大谷。すでに気持ちを切り替え、打者としてチームに貢献することに集中している。

マドンは大谷をレギュラーの指名打者として起用する方針だが、好左腕と対戦する際はスタメンから外すことも検討しているようだ。エンゼルスはトップ・プロスペクトのジョー・アデルの昇格によって外野が人員過多となっており、大ベテランのアルバート・プーホルスも指名打者での出場機会を必要としている。大谷が指名打者に固定されることで選手起用の柔軟性は失われてしまうものの、エンゼルスは大谷の打撃力を最大限に活用したいと考えている。

大谷は今季ここまで打者として6試合に出場し、打率.148、1二塁打、2本塁打、7打点、1盗塁、OPS.586にとどまっている。しかし、ボールを強く、昨年よりも良い角度で打つことができているというデータもあり、エンゼルスは打者・大谷の状態を悲観していない。ただし、レギュラーの指名打者として起用される以上、3打席に1度のペースで喫している三振の数を減らす必要はあるだろう。

開幕12試合で4勝8敗とスタートダッシュに失敗し、地区4位に沈んでいるエンゼルスだが、シーズンはまだ48試合も残っている。大谷がバットでチームを浮上に導けるか注目したい。

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