スーパープレーの守備職人・DeNA柴田にラミレス監督 「キーポイントとなるプレー」

DeNAのアレックス・ラミレス監督(左)と柴田竜拓【写真:荒川祐史】

ロペス休ませ中井起用で一発、投手との相性別の捕手起用が奏功し、首位巨人に4ゲーム差

■DeNA 3-0 中日(6日・横浜)

DeNAは6日、本拠地・横浜スタジアムで行われた中日戦に3-0で勝ち、竜を“3タテ”。アレックス・ラミレス監督の采配がズバズバ当たり、首位・巨人とのゲーム差を4に縮めた。中井の一打、柴田の超美技が光った。

指揮官はこの日、前日の5日に先制2点適時打を放ち今季初のお立ち台に上がったばかりの36歳・ロペスを、あえてスタメンから外して休養させた。代わりに6試合ぶりに「7番・二塁」でスタメン起用した中井が、2回に先制1号ソロを放つなど、3打数2安打1打点の大活躍。「最初のホームランだけでなく、ヒット(6回の中前打)が出たのがよかった」とたたえた。

一方、3点リードして迎えた7回の守備からは、二塁手をヒーローの中井から“守備の名手”の柴田にスイッチ。これもズバリ当たった。無死二塁からビシエドが放った強烈なセンター返しは、痛烈なゴロとなって二塁ベースの左(遊撃方向)を抜けていこうとしていたが、あらかじめベース寄りに守備位置を変えていた柴田はこれを横っ飛びでスーパーキャッチ。すぐに起き上がり、矢のような一塁送球で刺した。この超美技が効いて、この回を無失点で切り抜けた。

ラミレス監督は「柴田の守備が凄いことは、みなさんご存知の通り。僅差の展開であれば、柴田を7回くらいから守備に就かせたいと考えていた。あの打球が抜けていたら、試合はどうなっていたかわからない。キーポイントとなるプレーだったと思う」と自身の采配を自画自賛した。

また、この対中日3連戦で2番スタメンに抜擢した神里が、この日も3回に1号ソロを放ち、3戦を通じ12打数7安打と爆発したのだから、笑いが止まらないだろう。「彼が巡ってきたチャンスをモノにしたことを、うれしく思う」と語った。

投げては先発の2年目右腕・大貫が7回4安打5奪三振無失点の快投で今季4勝目(2敗)。開幕2連敗スタートの後、4連勝と持ち直した陰には、3人の捕手を投手との相性によって使い分ける起用法がある。大貫が先発した最近3試合では、戸柱がマスクをかぶっており、ラミレス監督は「戸柱が素晴らしいリードをしてくれたおかげで、コンビネーションが機能した」と評した。

ちなみに、前日5日に3勝目を挙げた浜口の“恋女房”は高城で、ラミレス監督はやはり「リードが良かった」と褒め上げている。今のところ、この2人に嶺井を加えた3捕手がそれぞれの特長を発揮し、対照的に昨年の正捕手の伊藤光は「捕手別の防御率が良くない」との理由で1軍から遠ざかっている。

9連戦の序盤を会心の3連勝でスタートしたラミレス監督。7日からは神宮に乗り込みヤクルトと3連戦を行うが、「明日も勝ちたい」と燕との戦いに自信ありげだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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