切り子灯籠 製作ピーク 島原の仏間や精霊船飾る

ピークを迎えている切り子灯籠作り=島原市、マルイチ葬祭作業場

 お盆を前に、島原市内で家庭の仏間や精霊船を飾る伝統の「切り子灯籠」の製作がピークを迎えている。
 島原の切り子灯籠は、初盆を迎えた家庭で飾られ、15日に精霊船に飾り付け流される。和紙を張った多面体の木枠に造花などの装飾品が取り付けられ、白と青が基調色。約380年の歴史があるといわれる。
 島原半島に製造会社は4社あり、そのうちマルイチ葬祭(坂上町)は約3000個を作る予定。新型コロナウイルスの影響で、市などでつくる協議会が主催する形での精霊流しが今年は中止となるため、精霊船の数が減少し切り子灯籠の注文数も昨年の半分以下に落ち込んでいる。
 弁天町1丁目の作業場では、社員とアルバイトを含め約30人が、木枠の組み立てや造花の飾り付けなど一連の作業に追われている。今月10日ごろまで作業が続く見込み。森本久浩社長(56)は「コロナ禍の中で精霊流しは中止となるが、伝統文化を守るためにも切り子灯籠を作り続けたい」と話した。

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