手作り体験もできる!レジャーにぴったりの「鈴廣 かまぼこの里」でかまぼこ文化を楽しく学ぼう

日本ならではの食べ物、かまぼこ

日本独自の食べ物のひとつ、かまぼこ。魚をすり身にし、形を整え、蒸して作られた食べ物です。竹の棒に巻かれたかまぼこの見た目が、「ガマ」と呼ばれる水草の穂に似ていること、またガマの穂が「鉾(ほこ)長い柄のついた、両刃の剣」に似ていることが由来して、「蒲鉾」と書くようになったといいます。

一度は見たり、食べたりしたことのある方もいるかもしれません。そんな方でも、具体的にかまぼこがどうやって作られるのか知っている方は少ないでしょう。

150年以上の歴史をもつ鈴廣のかまぼこ

古くから日本で親しまれているかまぼこは、各地で製法や原材料が少しづつ異なります。そのため、多様なかまぼこ文化が発展してきました。

今回紹介する鈴廣のかまぼこは「小田原かまぼこ」といい、海産物が豊富に獲れる神奈川県の小田原市一帯で作られています。主な原材料は「シログチ」と呼ばれる魚。歯応えがとてもよいのが特徴です。

鈴廣かまぼこの本店は、1865年に出来ました。150年以上ものあいだ、箱根から流れる百年の湧水と新鮮な魚を用いておいしいかまぼこを作り続けているのです。

楽しみながら学ぶ「鈴廣 かまぼこの里」

おいしいかまぼこの製造だけでなく、日本のかまぼこ文化を伝えるために、鈴廣は積極的に活動しています。そのため本店の隣には、かまぼこにまつわる複合施設「鈴廣 かまぼこの里」が建てられています。博物館、カフェ、レストラン、市場など、かまぼこを知り、味わえる施設が集まっていますよ!

施設の中を見てみましょう。

博物館のかまぼこ・ちくわ手作り体験

博物館の1Fと3Fはすべて体験教室です。1Fはかまぼことちくわ、3Fはあげかまの手作り体験ができます。

参加の申込みは会場でできますが、週末・祝日は混む場合が多いので、事前にインターネット予約をしておきましょう。

※:2020年8月現在、新型コロナ感染予防のためすべての体験教室に人数制限があります。

職人が実演する様子を見て、作り方を学んだら、実際に自分たちでも作ります。職人の手さばきが大きなスクリーンに映し出されました。職人はへらを使い、魚のすり身を平らに延し、それを繰り返して混ぜていきます。その後、板の上に乗せて成形し、完成です。

かまぼこと同じ魚肉の加工食品・ちくわも手作り体験が可能です。

魚のすり身を混ぜた後、ヘラを使って平らにし、四角く整えます。それを竹の棒に巻き、機械に設置して火であぶります。機械で棒が回転するので、まんべんなく火が通ります。最初に竹の棒を叩きながらすり身の中にある空気を抜き、その後20分ほどあぶって完成です。

焼いているあいだに、職人が実際に作っている姿を見学してみましょう。鈴廣には、国家1級技能士の資格をもつかまぼこ職人が16名もいます。これは、日本でもっとも多い人数です。

ちくわの完成です! 魚のすり身にはみりんが入っており、香ばしい風味も感じられました。

かまぼこは完成までに、1時間半ほど蒸す必要があります。この時間を利用して、博物館のほかのエリアや別のお店に行ってみましょう。

かまぼこの科学

3Fにある「かまぼこの科学」では、鈴廣のかまぼこのおいしさの秘密がわかります。

1本のかまぼこに使われる魚は、およそ6〜8尾。使用している箱根百年水は、鉄分の含有量が少なく、魚肉の血や雑多な成分、脂質をとりのぞき、白いすり身が作られるそう。

その後、塩を加えて混ぜると、タンパク質の成分が変化し、歯応えある食感になります。この塩はミネラルをたっぷり含んだ天日塩で、かまぼこ作り専用なのだそう。高タンパク低脂肪、体にやさしくおいしいんです!

バイキングレストラン えれんなごっそ

バイキングレストラン「えれんなごっそ」にも立ち寄って、お腹を満たしましょう。

小田原の食材や、さまざまな種類のかまぼこ、それらで作ったピンチョスが食べられます。

ここで飲める箱根ビールも、箱根百年水を使用しています。厳選された麦芽とホップで醸造されており、いくつもの受賞歴があるクラフトビールです。箱根ピルスと小田原エールが有名ですが、季節のビールもオススメ。

特に、2年連続でジャパンブルワーズカップ(Japan Brewer Cup)金賞に輝いている、夏季限定の足柄ヴァイツェンが人気です。人気の味をいろいろ試したい方は、3種類のビールが試飲できる「箱根ビール3種お試しセット」(税込650円)を頼むとよいですよ。

えれんなごっそ CAFE107

えれんなごっそにはカフェもあります。2019年9月にリニューアルしたCAFE107では、引退した箱根登山鉄道の車両、モハ1形107号をカフェ空間にしました。

この車両は、大正昭和、平成、令和の4つの時代、約100年の時を走り続けました。車内の座席は、箱根特産の寄木細工柄。中に設置されたスクリーンには登山鉄道沿線の風景が映し出され、鉄道に乗っているような雰囲気に浸れます。引退したあとも、違った形で鉄道の歴史を語ってくれているかのようです。

運転室が間近で観れることもポイント。鉄道ファンなら興奮しきりですね!

地元で有名な珈琲店「スズアコーヒー」の珈琲豆を使い、箱根百年水で淹れているコーヒー(税込300円)は、のどごしよく柔らかな味わいです。緑に囲まれた車内で、チョコレートの線路の上を走る苺ムースケーキ(税込700円)を食べれば、鉄道に乗って箱根へ向かっている感覚になるかも!

カフェでもかまぼこピンチョスが食べられます。107種類もの中から、毎日3種類が選ばれて提供されています(税込500円)。

品揃えの豊富なおみやげ店 鈴なり市場

「鈴なり市場」ではかまぼこだけでなく、地元の特産品も販売しています。すべて合わせると200種類以上もの商品が並んでいるそうです。

出来立てのあげかまを食べたい場合は、店内にある「すず天」へ。いろいろな種類のかまぼこを試したい方は、「かまぼこバー」で「お試しセット」(税込500円)を頼みましょう。新鮮な魚肉を使った、職人による手作りの最高級品・超特選かまぼこ「古今」もあり、異なる種類のかまぼこが一度に楽しめます。

かまぼこトミカは、子どもたちの目を輝かせることでしょう。着色料には自然素材を使用し、化学調味料・保存料無添加なので安心して食べられますよ。

かまぼこは、どれもそのまま食べることができます。中でも特に便利なものが、包丁で切る必要のない商品「切れてる板わさ」。買ってすぐに食べられます!

かまぼこの上に絵や文字を焼印プリントできるサービス「プリかま」もあります。かまぼこの包装には有名なテキスタイルブランド「濱文樣(はまもんよう)」の風呂敷も選べ、プレゼントとして贈りたいときにぴったり。所要時間は約30分です。

帰る前には博物館へ戻って、体験教室で作ったかまぼこを忘れずに受け取ってくださいね。こちらも化学調味料・保存料無添加なので、3日以内に食べてください。

家でもかまぼこ体験を

かまぼこ作りを家でも楽しみたい! という方は、かまぼこ手作り体験キットがオススメ。夏休みや長期休暇の期間、家で楽しめるアクティビティを探しているご家庭にぴったりです。インターネット購入もできるので、「鈴廣 かまぼこの里」を訪れるのが難しい方でも楽しめますよ!

密集を避けたレジャーは「鈴廣 かまぼこの里」で

小田原の自然の恵みを生かして作った、良質なかまぼこやビール、コーヒーなどが楽しめる「鈴廣 かまぼこの里」。アクセスもよく、東京駅からは新幹線で30分程度です。家族で出かけるのにぴったりの場所ですよ。

2020年8月現在、新型コロナウィルス感染拡大予防のため、細心の注意をはらって営業しています。対策が施された場所でのレジャーを考えている方は、ぜひ「鈴廣 かまぼこの里」に足を運んでみてくださいね。

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