10年ぶりカーエー県記録更新

 石垣島在住の平良太一さんは、学生時代は釣りをしていたが、本土で仕事をしてからは釣りをしなくなった。2年前に石垣島に戻って来たが再び釣りを始めたのは3カ月前。魚の引きに魅せられて週に4~5日ポイントに通い始め、カーエーの30センチ前後はコンスタントに釣れるようになった。

 7月29日も仕事を終え、午後7時ごろから浜崎海岸で竿(さお)を出した。午後9時ぐらいにウキに当たりがあり、合わせると左に向かってすごい勢いで走った。なすすべもなくラインを引き出され、切れてしまった。

 気を取り直してリールのドラグをがちがちに締めてから釣りを再開。1時間後、ウキに当たりがあり、合わせると1回目と同じように左に向かって走った。3号竿がギシギシと音を立てて折れそうなほど曲がり、道糸がピイーンと音を立てる。必死で耐えていると今度は沖に向かって走った。

 しばらくすると下に潜ったり、左右に逃げたりと暴れ回った。それでも、徐々に浮かすことができるようになった。水面まで浮かせて、空気を吸わせると、抵抗しなくなった。ライトに浮かんだ大物は、見たことのない大きなカーエー。震える手でタモ網に収まったのは54.5センチ、3.94キロ。10年ぶりに県記録を更新する大物で、検量後にさばいて食べたところ、脂がたっぷりと乗っていてブリのようだったそうだ。

 (おきなわ釣王国社・仲栄真修)

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