大林監督追悼し花火打ち上げへ 長岡FCが寄付呼び掛け

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映画「この空の花」の撮影に臨む大林宣彦監督(中央)=2011年9月、長岡市の信濃川河川敷

 長岡花火を題材にした映画「この空の花-長岡花火物語」(2012年)を手掛け、今年4月に死去した大林宣彦監督を追悼する花火の打ち上げが長岡市内で計画されている。市内で遺作が公開される9月4日とする予定。長岡花火に込められた慰霊の思いを全国に広めた監督に感謝の気持ちを表そうと、協力を呼び掛けている。

 映画やドラマの撮影を誘致し、地域の魅力発信に取り組む「長岡フィルムコミッション(FC)」が企画している。

 「この空の花」は長岡空襲と慰霊の花火を題材に平和の大切さを訴える物語。09年に長岡花火を初めて見た大林監督が涙し、市民の慰霊の思いに触れたことが製作につながった。

 大林監督に長岡花火の映画化を直訴し、製作委員会の代表を務めたFC会長の渡辺千雅さん(64)は、監督から「長岡は花火で、僕は映画で、平和をつくろう」と言われ、握手を交わしたことを思い起こす。「普段は優しいが、現場での真剣さや厳しい姿勢には背筋が伸びる思いだった」と撮影当時を振り返る。

 市内のロケでは、悪天候で撮影が中断したのにエキストラの市民が続行しようと盛り上がって配置に就き、大林監督も「よーし、やるぞ」と応じて現場がまとまったことがあった。「長岡魂を感じた」と一体感を懐かしむ。映画の完成後も毎年のように花火見物に訪れ、撮影に関わった市民との交流は絶えなかった。

 長岡FCは打ち上げに向け、有志から寄付を募っている。会員制交流サイト(SNS)で告知したところ、全国の大林監督ファンから激励の声が寄せられた。妻の恭子さんに渡辺さんが伝えると、「監督も喜ぶ。私もできれば見に行きたい」と電話をくれたという。

 日程は遺作「海辺の映画館-キネマの玉手箱」の市内公開に合わせるが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、場所と時間は非公表。インターネット中継を検討している。

 渡辺さんは「長岡から感謝の気持ちを届けるには花火しかない。遺作の成功祈願も込め、多くの市民に協力してもらいたい」と話す。寄付は口座振り込みで受け付け、個人は1口2千円、団体や企業は1口1万円から。8月31日締め切り。口座名は長岡フィルムコミッション。口座番号は北越銀行長岡市役所支店、普通2039488。

 問い合わせは長岡FC、0258(32)1187。