荷物が載せられるスポーツカー!レガシィ、ステージア、レグナムによる280馬力ステーションワゴン三つ巴の戦い

三菱 レグナム/スバル レガシィ/日産 ステージア

荷物も積めて走れる280馬力ワゴン!スバル 2代目レガシィ ツーリングワゴン

1993年に2代目へフルモデルチェンジしたスバル レガシィ(BG型)は、ハイパワーワゴンのコンセプトを継承。さらにメカニズムを熟成させ、1996年のビッグマイナーチェンジのタイミングで、2.0リッターツインターボエンジンの出力を280馬力へ引き上げた。2.0リッターエンジンで280馬力を発生させるエンジンは量産車初の快挙。また、ビルシュタインのダンパーが採用された「GT-B」は異例のヒットとなり、スバルの経営を支えるモデルにまで成長した。

開発テーマでもある「継承・熟成」を実現し、ハイパワー5ナンバーワゴンとして確固たる地位を確立した2代目 レガシィツーリングワゴンは、スバルを代表する大ヒットモデルである。

スペック

■全長×全幅×全高:4,670mm×1,695mm×1,490mm

■エンジン

・水平対向4気筒 1.8L SOHC EJ18型(120馬力)

・水平対向4気筒 2.0L SOHC EJ20型(125馬力/135馬力)

・水平対向4気筒 2.0L DOHC EJ20型(前期:150馬力、後期:155馬力)

・水平対向4気筒 2.0L DOHC EJ20型ツインターボ(前期:250馬力、後期:260馬力/280馬力)

・水平対向4気筒 2.5L DOHC EJ25型(175馬力)

■トランスミッション:4速AT/5速MT

■駆動方式:FF/4WD

■販売期間:1993年~1998年

日産はFRベースで勝負!スタイリッシュなLサイズステーションワゴン 日産 初代ステージア

日産 ステージアは、スバル レガシーを筆頭に、5ナンバーサイズのハイパワーワゴンがブームだった1996年に登場した。FRベースとなるR33 スカイラインや、C34 ローレルのプラットフォームとパワートレインを使用し、5ナンバークラスとは一線を画した高い走行性能を誇る。また、高級セダンのような上質な内装を持ち、直線基調の伸びやかなスタイリングは、まるで欧州ワゴンのような雰囲気さえ漂う。

オーテックジャパンの特別仕様車「オーテックバージョン 260RS」は、R33 スカイラインGT-Rに搭載される2.6リッター直列6気筒 RB26DETT型エンジンを搭載し、ブレンボブレーキやアテーサ4WDシステム、そしてトランスミッションに5速MTを採用し「GT-Rワゴン」とまで呼ばれる程、ステーションワゴンとは思えない運動性能を持っていた。

スペック

■全長×全幅×全高:4,800mm×1,755mm×1,495mm

■エンジン

・2.6L 直列6気筒 RB26DETT型(280馬力)

・2.5L 直列6気筒 RB25DET型(280馬力/235馬力)

・2.5L 直列6気筒 RB25DE型(200馬力/190馬力)

・2.0L 直列6気筒 RB20DE型(155馬力)

・2.0L 直列6気筒 RB20E型(130馬力)

■トランスミッション:4速AT/5速MT

■駆動方式:FR/4WD

■販売期間:1996年~2001年

※サイズは1996年式 2.5 RS FOUR 4WD(AT)の数値

見た目ヨシ!性能ヨシ!なのに1代で終了した悲劇のハイパワーワゴン|三菱 レグナム

1996年に登場した8代目 ギャランをベースとするステーションワゴンがレグナムである。当時、スバル レガシィツーリングワゴンをきっかけに流行していたハイパワーワゴンカテゴリーに真っ向勝負を挑んだ三菱。エントリーグレードの1.8リッター GDIエンジンや2.0リッターV6エンジン、そして、2.5リッターツインターボの「VR-4」と多数の選択肢を用意していた。

特に、2.5リッター V型6気筒ツインターボエンジンを搭載した「VR-4」は、最高出力280馬力を発揮。マルチリンク式の前後サスペンションやAYC(アクティブ・ヨー・コントロールシステム)を標準装備する。

スペック

■サイズ

全長:4,670mm~4,710mm

全幅:1,740mm

全高:1,450mm~1,480mm

■エンジン

・1.8L 直列4気筒 GDI(4G93型、150馬力)

・2.0L V型6気筒(6A12型、145馬力)

・2.5L V型6気筒 自然吸気(6A13型、175馬力)

・2.5L V型6気筒 ツインターボ(6A13型、280馬力)

■トランスミッション:4速AT/5速AT/5速MT

■駆動方式:FF/4WD

■販売期間:1996年~2002年

現在でも支持され続けるハイパワーワゴン

90年代半ばから2000年の初頭にかけ、一大ブームとなったハイパワーなステーションワゴンだが、ミニバンやSUVが持て囃される国内ではすっかり影の薄い存在となってしまった。

しかし、セダン同等の低い重心に加え、スポーツカー顔負けの高い動力性能。さらにSUVに匹敵する利便性まで兼ね備えているのは、全ボディジャンルの中でもステーションワゴンだけである。

そんなステーションワゴンは、欧州を中心に海外ではまだまだ根強い人気を維持している。それだけに、再び日本でも高性能なステーションワゴンの復活を望むファンも多いのではないだろうか。

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