ふるさと納税活用 DMAT用車両購入財源に 厚木

厚木市立病院

 厚木市立病院は、病院内の災害派遣医療チーム(DMAT)が使う車両の購入費を、市のふるさと納税制度を活用して募る取り組みを始めた。新型コロナウイルスへの対応で病院の財政が一段と悪化しており、対策として考案した。

 同病院によると、現在のDMAT用車両は2003年に購入した乗用車で、18年目を迎えて老朽化が進んでいる。「医療機器の更新をメインに予算配分してきた結果、車両の更新が後回しになった」(同病院)という。

 同病院のDMATは2月、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」乗船者の対応で出動したほか、15年には鬼怒川の水害で茨城県に出動するなどの実績を重ねてきた。車両の更新が避けられない一方で、新型コロナの感染拡大以降の経営は苦しくなり、病院側は市のふるさと納税の仕組みの中で購入費に用途を限定したメニューを作った。

 購入するのは4、5人が乗れる車両で本体価格は300万円余りとみられる。ふるさと納税制度を利用する経費などを考慮し、目標金額を680万円に設定した。病院は「寄付してくれる人の思いを車両整備のプロジェクトに反映するとともに、DMATの活動を広くPRする機会にもしたい」と話している。

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